映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』 ヒーローの若造時代描く
1977年に誕生、SF映画ブームを呼んだ全6作をへて、30年後の設定で2015年に新3部作がスタートを切ったのが『スター・ウォーズ』のシリーズだ。
そこで展開される物語の中心人物の一人、ハリソン・フォード演じる密輸船の船長ハン・ソロが、シリーズ全体を担うヒーローになる前の若造時代が語られる。ルークやレイア姫といった仲間ができる前の話。
銀河帝国の恐怖政治下、幼なじみの娘キーラ(エミリア・クラーク)と国外脱出を図って失敗した若者ハン・ソロ(オールデン・エアエンライク)はキーラと離れ離れになる。のちに再会したあとで知る彼女の変化の大きさがハン・ソロにどう影響するのか?
キーラと別れて3年後、銀河最速のパイロットを目指して入学した帝国軍のフライト・アカデミーを追放されたハン・ソロは戦地でチューバッカと運命の出会いを果たす。彼を相棒にして強盗ベケット(ウディ・ハレルソン)の誘いで、冷酷なギャングが相手の闇の世界に足を踏み入れた。パイロットの腕を磨き、女性ドロイドのパイロット、L3-37に操縦を任せていた賭博師ランド・カルリジアンから彼のミレニアム・ファルコン号を入手、まだぴかぴかの新機だ。
ちょっぴりワルなのが可愛(かわい)い若造ハン・ソロがいかにして『スター・ウォーズ』シリーズの頼もしい主要登場人物に成長していくのか? その過程を描くためのエピソードが次々とはめ込まれ、ジクソーパズルを完成させるように律義に作られたところはいかにも『ビューティフル・マインド』(2001年、アカデミー賞作品賞、監督賞受賞)のロン・ハワード監督作。
誠実な作り方には人間味が滲(にじ)み出ているが、でもシリーズと最初に出あったときに感じた胸のときめきがないのはなぜ? 良きアクション映画と思うのだが。2時間15分。
★★★
(映画評論家 渡辺祥子)
[日本経済新聞夕刊2018年6月29日付]
★★★★☆ 見逃せない
★★★☆☆ 見応えあり
★★☆☆☆ それなりに楽しめる
★☆☆☆☆ 話題作だけど…
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