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長々続く激しい倦怠感 慢性疲労は脳の炎症が関係か

2018/5/30付 日本経済新聞 夕刊

日本では長く「慢性疲労症候群」と呼ばれていた「ME/CFS」。だが厚生労働省の研究班は2017年、世界的に使われるME/CFSの名称を日本でも使うよう推奨した。写真はイメージ=PIXTA

 全身の激しい倦怠(けんたい)感や筋肉痛などが何カ月も続く筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)。早期診断や効果的な治療法を確立するための臨床研究が始まった。専門家は脳の炎症と病気の関係に注目しており、この病気で根拠に基づく治療の可能性が見えてきたのは初めて。患者や家族も大きな関心を寄せている。

 ME/CFSは日本では長く「慢性疲労症候群」と呼ばれていた。だが一般の慢性的な疲労と混同されたり、患者の症状の訴えが理解されず「怠けている」などの誤解を受けたりすることから、厚生労働省の研究班は昨年、世界的に使われるME/CFSの名称を日本でも使うよう推奨した。

 この病気はそれまで健康に生活していた人が、風邪などの感染症や事故、過重な労働などをきっかけに突然発症する。生活が著しく損なわれるほどの激しい倦怠感、睡眠障害、全身の痛みなどが6カ月以上続く。国内の患者数は8万~24万人と推定され、寝たきりで介護が必要となるケースも少なくない。

 疲労や痛みの症状があっても一般の臨床検査では異常が見つからないことが多い。「本当は疲れていないはず」と自分に言い聞かせて行動し、症状が悪化しがちだ。精神疾患など他の病気と誤診され、ME/CFSとしての診断が遅れるのも問題になっている。

 患者には漢方薬や抗うつ剤などの薬物療法、ヨガなどの運動療法などが状態に応じて使われるが有効な治療法は確立されていない。

 そうした中、病気のメカニズムを解明し、治療法を探る動きが出てきた。きっかけは理化学研究所などの4年前の研究成果。陽電子放射断層撮影装置(PET)で患者の脳を調べたところ、脳神経系の炎症が特定の場所に発生していた。

 脳の扁桃(へんとう)体の炎症は認知機能、視床の炎症は頭痛や筋肉痛、海馬は抑うつ症状とそれぞれ相関していた。炎症が強いほど症状は重かった。

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