スギ花粉症、6月から対策 症状出にくい体質に改善舌の下から薬を服用/3~5年間、毎日続けて

NIKKEIプラス1

写真はイメージ=PIXTA
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スギ花粉症の季節が終わり、マスクや薬から解放された人も多いだろう。花粉が飛散しないこの時期は、花粉症をもとから治す「舌下免疫療法」の始めどきだ。6月には新しい薬も登場。特徴と治療の注意点を探った。

スギ花粉症の治療は、内服薬や点鼻薬でくしゃみや鼻水などの症状を抑える対症療法が主流。それに対し、舌下免疫療法は花粉症をもとから治す治療法だ。アレルゲン(アレルギーの原因になる物質)のスギ花粉を年単位で投与して体を慣らし、アレルギー症状が出ないようにする。

「スギ花粉症を起こす体質そのものを改善する根治療法」と日本医科大学付属病院(東京・文京)耳鼻咽喉科・頭頸部外科の大久保公裕教授は説明する。ある程度の量のアレルゲンを継続的に体内に入れていくと「逆にアレルギー反応を抑制するような免疫反応が起こる」という。

2014年から、スギ花粉のエキスが入った薬を舌の下に投与する方法が健康保険の適用になり、自宅で治療できるようになった。

対象は血液検査などでスギ花粉症と診断された12歳以上の患者。本人が希望すれば重症度に関係なく受けられる。重症の気管支ぜんそくや心臓病、がん、妊娠・授乳中の人などは適応外。これまでに約9万人が治療を受けている。