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増えるペット由来の感染症 高齢者や乳幼児は重症化も キスなど引き金に/接触歴メモして受診

NIKKEIプラス1

2018/5/19付

感染を防ぐには、過剰な触れ合いを控えることが重要。ペットとキスしたり、自分の箸やスプーンで食事を与えたりすることは、感染のリスクを高める行為でしかない。佐藤獣医科(東京・板橋)の佐藤克院長は「ペットとの楽しい生活を守るために注意を払うことが不可欠」と話す。

それぞれのズーノーシスには特徴的な症状がある。ただ初期症状は発熱や鼻水といった風邪の症状や一般的な皮膚病と似ているため、病気の発見が遅れがちになる。

発症例はごくまれだが、重症化すると死に至るズーノーシスもある。ジフテリアに似た症状の「コリネバクテリウム・ウルセランス感染症」は1月に国内初の死亡例が確認された。敗血症などを引き起こす「カプノサイトファーガ感染症」は複数の死亡例が報告されている。どちらも「早期であれば抗生物質がよく効く」(荒島助教)ので、早めの診断が重要だ。

ただ、「医師にズーノーシスの診療経験がない場合が多い」(佐藤院長)。荒島助教は、受診時に動物との接触状況を医師に伝えるよう勧めている。「飼っているペットなど動物との接触歴を時系列に書き出したメモを医師に手渡すと、迅速な診断につながる」

狂犬病などを除き、ほとんどのズーノーシスにはワクチンがない。荒島助教は「正しい情報を入手してズーノーシスを防いでほしい」と訴える。

厚労省は毎年発行する「動物由来感染症ハンドブック」やズーノーシスの情報をホームページ上で提供している。愛するペットと末永く、健やかに暮らすためにも、ズーノーシスについて知って、ほどよい触れ合いを心がけよう。

(ライター 大谷新)

[NIKKEIプラス1 2018年5月19日付]

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