年金、何歳からもらう? 70歳超も選択肢に
年金を受け取るタイミングは手持ち資産との兼ね合いで悩ましい。写真はイメージ =PIXTA
厚生年金などをもらい始める年齢について、70歳を過ぎても選べるようにする構想が政府内にあると聞いたけど、どんな中身なの。本来なら65歳からもらえるはずだけど、今後どうなるのかな。
年金をもらい始める年齢などの仕組みについて、荒川美紀さん(47)と白根敦子さん(46)が大林尚編集委員に話を聞いた。
――70歳超も選べるようになるのですか。
日本年金機構が支給を始める年齢は、65歳に向けて引き上げる途上にあります。今の仕組みだと、受給者はもらい始める時期について、60歳までの繰り上げや70歳までの繰り下げを選ぶことができます。繰り上げる場合は1カ月に0.5%(最大30%)減額され、繰り下げる場合は1カ月に0.7%(最大42%)増額されます。現状、大半の人は基準年齢でもらい始めているようです。
これだと仕事を続けている人がもらい始めを70歳より遅らせたとしても、年金は42%増より増えません。安倍政権は2月に閣議決定した高齢社会対策大綱に、もらい始めの時期について70歳以降も選べる制度を検討すると盛り込みました。今後、具体的な制度設計は厚生労働省が担当し、国会が関連法案を成立させれば実現します。
――なぜそうした改革をするのですか。
個人が年金をもらう年齢をできるだけ先に延ばす動機づけです。ふつうに働いていれば年金の必要性はさほど高くないですよね。たとえば73歳とか、さらに元気なら75歳まで働けば、年金をもらう年齢もそれに合わせて上げられます。「人生の賭け」のような面もありますが、金額が上乗せされればもっと長く働こうと思う人が増えるでしょう。