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隠れた不調「未病」を早期発見 産学官で研究進む

2018/3/26付 日本経済新聞 朝刊

健康と病気の間の状態を示す「未病」を最新技術であぶり出し、健康維持に役立てようとする試みが産学官で進んでいる。指の血流から自律神経の状態を分析して隠れた体の不調を見つけだしたり、健康診断のビッグデータ解析から3年後の健康リスクを予測したりするなど様々な手法が登場。「早期に生活習慣を改善できれば医療費を抑制できる可能性がある」との期待も高まっている。

「あなたの疲労・ストレスは注意レベルです」。15センチ四方の測定機器を両手で持ち、左右の人さし指を上部にある小さな穴に入れて90秒後に画面に表示されるのは自律神経の状態だ。システムは疲労科学研究所(大阪市)が大阪市立大などと共同で開発した。

疲労科学研究所は指を入れるだけで疲労状態がわかる機器を開発した(15日、大阪市)

指先から読み取るのは脈拍の動きをグラフ化した脈波と心電波。従来、「疲労度」は問診による主観的評価が中心だったが、同社は実証データを基に自律神経機能に対して基準値を設定。さらに緊張時に活動が活発になる交感神経とリラックス時に活発になる副交感神経のバランスを見ることで、「見える化」した。

自律神経機能が基準値より劣っていたり、交感神経優位の「過緊張」を示していたりすると、本人に自覚がなくても疲労やストレスをため込んでいる可能性があるという。

■未来のリスク示す

同研究所の倉恒邦比古社長は「自律神経は体の状態を如実に表す。定期的に測定すれば、過労死などの予兆を見つけ出すことが可能になる」と期待する。4月から東海大と疫学調査を実施し、自律神経の状態と認知症の関係を調べる予定。関係性を見いだせれば自律神経の状態から認知症になるリスクが高いと判断した人に早期から対応することで、予防につながる芽が出てくるという。

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