NIKKEIプラス1

副鼻腔炎には複数の種類がある。1つはいわゆる蓄膿(ちくのう)症で、副鼻腔にうみがたまる。ペニシリンなどの抗菌薬を1~2週間、あるいは少量のマクロライド系抗菌薬を3カ月を目安に服用して治療する。

抗菌薬やステロイド薬を霧状にして鼻腔に送り込むネブライザー療法も有効だ。「抗菌薬を嫌がらず、しっかり治しきることが大切」と鴻教授。「鼻茸(はなたけ)というポリープができると副鼻腔炎が治りにくいので、内視鏡手術で切除するとよい」

高齢者や糖尿病などの持病で免疫力が低下している人がかかりやすいのが、副鼻腔真菌症だ。副鼻腔にカビ(真菌)が増殖する。カビ臭い室内や空調の清掃不足など環境が原因の一つとなる。「急激に悪化する場合は、すぐに患部の切除手術が必要」(鴻教授)

最近増えているのが、治りにくいタイプの「好酸球性副鼻腔炎」だ。白血球の一種、好酸球が過剰に反応して鼻と副鼻腔の炎症が続く。粘り気がある鼻水が特徴だ。「両方の鼻に多数の鼻茸ができて、強い鼻づまりや嗅覚障害を起こすことが多い。しばしば成人発症のぜんそくを合併するのも特徴」と石戸谷院長。

ステロイド薬による継続的な治療が最も有効で、鼻茸の切除や副鼻腔の入り口を広げる内視鏡下副鼻腔手術で症状を軽減できる。好酸球性副鼻腔炎の鼻茸は再発しやすく、術後も継続して治療を受ける必要がある。症状が重い好酸球性副鼻腔炎は難病に指定され、医療費が助成される。

鼻の不調が長引いたら、放置しても改善は見込めない。予防法はないので、なるべく風邪をひかないようにし、たかが鼻水と侮らずに、耳鼻科を受診するよう心がけたい。

(ライター 武田京子)

[NIKKEIプラス1 2018年2月17日付]

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