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時短家事

三重県知事、カジダンへの道 夫婦の予定「見える化」

2018/1/30 日本経済新聞 夕刊

2011年、36歳で知事になった。現在2期目で43歳。現職知事では最年少になる。ちょうど子育て世代で、長男(5)と長女(1)の育児もしている。

妻の武田美保はシンクロナイズドスイミングの五輪メダリスト。今は講演などに加え、週2回小学~高校生にシンクロを教える。

時間に追われる夫婦が抱える悩みは「家事と育児をどう分担するか」だろう。我が家の場合「これは私、これは妻」といった事前の絶対的な分担はしていない。どちらがいつ時間があるかを洗い出し、空いていれば家事も育児もやるというスタンス。

そのために2人のスケジュールを「見える化」している。お互い仕事が不規則なので、予定を把握することが大事だと考えている。

まず月末に、今後1カ月の予定を妻に交流アプリのLINEで送る。すると妻が自分の予定と合わせて大きな1枚の紙に書き、リビングに張り出す。空き時間が一目瞭然で、子育てを手伝ってくれる妻の母とも共有できる。

日常でよく担当するのは、朝のごみ出しと長男を幼稚園バスの停留所まで送ること。朝は時間がないから、日々ごみが出るたびにビン、生ごみ、可燃、不燃など細かく分別し、収集日に袋に入れるだけで済むようにしておく。この事前準備が時短につながる。ためて一気にやるより早期に少しずつやっておくのがコツかも。

長男を幼稚園へのバス停に送りがてらごみ出しをする

官僚のころは猛烈な仕事人間だった。名刺に「年中無休24時間」と刷り配っていた。家には寝に帰るだけ。実家から送ってもらったコメに虫がわいていたことも。

価値観が180度変わったのは、結婚して子供を持ってから。欲しかったが授かるのに5年ほどかかった。これだけ望んだ子供だからちゃんと育児をしよう、生活を見直そうと決意。2人の子の誕生時に知事として育児休暇も取った。

妻の存在も大きい。全国の人々の応援で五輪で活躍できた。今度は自分が恩返しをする番だと、シンクロ指導に熱を入れる妻。私も彼女が輝き続けるために協力せなあかんな、と思うようになった。

育児については少しだけだが自信もついてきた。先日も長女が夜中に大量の「爆弾ウンチ」をした。おむつを処理し風呂に入れ、寝かしつけるまで全部やった。苦手意識はあまりない。

でも家事は……。正直、料理は苦手。だが、男性が家事育児をすることは仕事へのメリットも大きいと感じる。決められた時間内で複数のことを同時にやる。生産性向上に間違いなくつながる。

今は、家事が得意な男子=カジダンかと問われると「ちゃうちゃう、それはかゆいわ」というレベル。コラム執筆を通じて立派なカジダンになれるよう頑張りたい。

鈴木英敬(すずき・えいけい)
東京大学卒、通産省(現経済産業省)に入省。約10年務め退官し、2011年三重県知事に(現在2期目)。兵庫県出身、43歳。妻はシンクロナイズドスイミング五輪メダリストの武田美保さんで、現在2児の父。

[日本経済新聞夕刊2018年1月30日付]

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