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病弱児、地域で育てる 専門保育園など広がる支援 看護師を配置 保育士のケア研修などの取り組みも

日経Gooday

2018/1/17付 日本経済新聞 夕刊

医療技術の進歩に伴い先天性の大きな疾患などがある新生児でも命を救えるようになった。その一方で助かったものの非常に虚弱であったり、呼吸器の装着が必要だったりする子供が増えている。こうした子供たちへの対応は病院内の問題とされ、家で生活していくための支援体制がなかったが、ようやく社会全体で支えていこうとの機運が高まりつつある。

2018年春、横浜市南区に1~2歳児を対象として定員12人でオープンする予定の「すもーるすてっぷ保育園」。小児科の経験が長い看護師が常駐し、病弱だったり心臓疾患などの内部障害を抱えたりする子供も預かることが特長だ。

さらに病弱な子供らが転園したり、小学校に入学したりする際には看護師や保育士を付き添わせる派遣サービスも計画している。

運営はNPO法人スモールステップ。代表の赤荻聡子さん(37)は先天性の心臓疾患がある娘(5)の母親でもある。娘は1歳半までに6回もの手術に耐えたが、一時的な血流不足で脳が損傷を受けた。体にまひが残り、発達も少し遅れる。酸素の吸入も必要だ。

見た目ではわからない虚弱な子供もいる(心臓病の子供のためのイベント、横浜市)

それでも心臓病の子供が集う場に通ううち、赤荻さんは「この子は普通の保育園でも大丈夫」と感じ始める。集団生活で社会性を身に付けさせたかったし、自らも再び働きたかった。そこで地域の保育園に問い合わせたが、どこも「何かあったら責任が取れない」と尻込み。絶望的な気持ちになることもあった。

やっと離れた場所に受け入れ先が見つかり、娘はいま楽しそうだ。赤荻さんは「病児を地域で受け入れる環境づくりの一つとして保育園をつくることにした。同じような境遇の人にあきらめないでと伝えたい」と話す。

政府も動く。厚生労働省は18年度から保育園などが医療的配慮が必要な子供を預かりやすいよう、看護師を配置したり、保育士に医療行為の研修を受けさせたりするモデル事業を始める。

さらに障害児の通所施設でもこのような子供を受け入れやすくするため、看護師を置いた場合に施設が受け取る報酬が増えるようにする。

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