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新年の目標、三日坊主にしない 「大・中・小」がコツ

2017/12/25付 日本経済新聞 夕刊

もうすぐ新年。年の初めに、「今年こそは○○する」といった1年の目標を立てる人も多いだろう。だが、張り切った割には三日坊主に終わる人も少なくない。失敗しない目標の立て方を専門家に聞いてまとめた。

まずは「何をやりたいか」を明確にする

習慣化コンサルティング(東京・港)代表の古川武士さんは、新年の目標を立てる際のキーワードとして「WHY(なぜ)」「WHAT(何を)」「HOW(どのように)」を挙げる。順番に「大目標」「中目標」「小目標」と置き換えてもいい。

一番重要なのは、まず大目標を決めること。具体的には、「3~5年後の自分はどうなっていたいかをイメージする」(古川さん)。大目標を決めることは、目の前のことをするための動機付け(WHY)になる。

■ワクワク感あるものをテーマに

大目標は例えば、「駐在員としてニューヨークで仕事をしている」や「起業してワークライフバランスを謳歌している」などだ。ポイントは「イメージした時に自分の気持ちがワクワクするかどうか」(古川さん)。ワクワク感が最大の動機付けになるためだ。目標の高さは、無理かなと思うぐらいがよい。

大目標が決まったら次は中目標。この中目標が、この1年で何をするか(WHAT)となる。

中目標は、大目標とは逆に、頑張れば確実に達成可能な現実的なものにするのがカギ。大目標が「起業する」なら、中目標は「事業プランを練る」「起業資金を1000万円ためる」「起業メンバーを見つける」などだ。数は3つぐらいがちょうどよいという。

中目標が決まったら、最後は小目標。中目標を達成するために、具体的にどうするか(HOW)の部分だ。「事業プランを練る」という中目標なら、小目標は「毎日朝5時に起き、30分事業プランを考える」「起業セミナーに毎月参加」などが想定される。ここには行動や生活の習慣化も含まれる。

注意するのは、1度に2つ以上のことを習慣化しようとしないことだ。挫折し、三日坊主になる可能性が高い。「朝5時に起きて30分事業プランを考える」場合は、まず5時に起きることだけに集中。それが習慣化できたら、次に30分事業プランを考えることが身につくように努める。

気合の入れ過ぎもいけない。例えば、「TOEIC800点」を1年の目標に掲げたはいいが、そのために、いきなり「毎日1時間英語を勉強する」のは、ハードルが高すぎて挫折の原因になる。「最初は10分、軌道に乗ったら次は30分と、小さなステップ(ベビーステップ)から始める。物足りなく感じるぐらいがよい」(古川さん)

ちなみに、語学の習得を1年の目標に掲げるビジネスパーソンは多いが、達成できないことも少なくない。これは、最初に気合を入れ過ぎるか、動機付けのWHYを欠いたまま始めてしまうのが原因という。

■「すべき」より「やりたい」優先

新年の目標の立て方には、少し別のやり方もある。

経営者や企業幹部を指導するエグゼクティブ・コーチの和気香子さんは、毎年、年末のこの時期になると、顧客に新年の目標やテーマを決めることを勧める。ポイントは「何をすべきかではなく、何をやりたいか」(和気さん)だ。そのやり方を要約すると次のようになる。

まず、過去1年のスケジュール表を見返しながら、心が動いた出来事を思い出す。「感情が動くのは、自分が大切にしている価値観に触れた証拠。本当にやりたいこと、実現したいことがそれでわかる」(和気さん)。目標を立てる際の助けになるというわけだ。

次に、1年後の元旦を自分がどういう気持ちで迎えているかを想像し、さらに、そこから1年を振り返ったつもりでタイトルを付ける。

例えば、「2018年は自分の可能性を広げた1年」「独立に向け自信を深めた1年」など。これがそのまま、新年の目標になる。「タイトルは抽象的で構わないが、必然的にワクワクしたものになるはず」(和気さん)

そして、そのタイトルが現実のものとなるよう、いくつかの具体的目標と、それを実現するために必要な行動を決め、実行する。ここは、ベビーステップを含め、古川さんの提案するやり方とほぼ同じだ。

和気さんは、「よく意志が弱いから無理と言う人がいるが、意志の強弱は無関係。正しい方法でやれば、結果は付いて来る」と強調する。

(ライター 猪瀬聖)

[日本経済新聞夕刊2017年12月25日付]

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