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ダイキン工業の平岡渚さん(27)は空調設備を扱う福岡の営業拠点で初の女性営業社員だ。入社3年目だった2016年度に取引先70件を新規開拓し営業所内で首位を獲得した。小さな用件でもまめに足を運ぶガッツと顧客の質問などから意図をくみ取る丁寧さが成果を呼び寄せている。

「見上げるたびに、完成する日が本当に楽しみです」。18年2月の完成を目指して大成建設がJR博多駅前に建設中の大型オフィスビルを指さして平岡さんはほほ笑む。

再開発が進む福岡市では、ビル用空調設備メーカーの競争が激しい。大成建設の大型ビルはエネルギー消費量を標準ビルより52%減らせる「環境配慮設計」が売りだ。空調関連は高い省エネ性能の実現に欠かせない重要な設備。当初は他社製品の納入が決まっていたが、逆転で受注した。

納入するのは冷温水をつくって室内機に送り室温を調節する「チラー」。平岡さんはダイキンの新製品の省エネ効率の高さに自信を持っていたが、もちろん性能だけで受注できるわけではない。

施工主である地元のビル運営・管理会社、紙与産業グループやゼネコンの担当者の元に足しげく通い、省エネ性能などを説明して回った。「博多のランドマークとなる建物に、なんとか1台でも入れたい気持ちが強かった」。ビルの設計と並行して検討される空調設備は、一度仕様が決まるとなかなか変更できないというのが業界の共通認識だ。しかし若い平岡さんは業界の常識を気にせず、粘りの営業で逆転を勝ち取った。

関東や関西では圧倒的なシェアを持つダイキンだが、福岡は国内有数の激戦区。11年の九州新幹線の全線開業以降、再開発でオフィスビル計画が相次ぎ、1件でも多く受注しようとライバル企業も攻勢をかける。「営業で外回りをすると、受付に直前まで訪問していた同業他社の担当者の名刺が置かれていることがしばしばある」

入社1年目の終わりに空調設備の営業として福岡に配属された。九州は地元だが、卒業したのは東京の大学で「まさか福岡に配属されるとは思わなかった」。空調設備の営業部門約170人のうち外回りの女性営業社員は約10人。福岡の拠点の営業担当も男性社員ばかりで、しかも50代以上のベテランが中心だ。

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