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職場の知恵

デスクすっきり、無駄・ミス追放 プロの整頓術

2017/11/27付 日本経済新聞 夕刊

 「確かここに入れたはずなのに」。肝心な時に資料が見つからずイライラした経験はないだろうか。机を整理しようとは思うものの、忙しく後回しにすることも多い。だが、そのままにしておくと仕事に差し障りが生じかねない。片付けが苦手な人でもできる整理術を専門家に聞いた。

 机は、使っている人の仕事のやり方が表れる場所だ。「整理されていない机だと雑多なものが目に入って気も散り、ミスも起こしがち。探し物が増えれば作業が片付かず残業にもつながる」と語るのは、コクヨワークスタイル研究所主幹研究員の斎藤敦子さんだ。

 同研究所の調べではオフィスワーカーは1日に約20分を書類探しに費やすこともある。月20日働くなら400分が無意味な時間になっている。

 無駄をなくすためにも整理された机は不可欠だ。片付けコンサルティング会社、スッキリ・ラボ(東京・大田)代表の小松易さんによると、片付けはモノを減らす「整理」と、モノを使いやすく配置する「整頓」に分けられ、整理の徹底が片付け成功のカ 具体的には(1)外に出す(2)分ける(3)減らす(4)(2)で必要としたものを元あった所にしまう――が整理の4ステップ。小松さんは「片付けが苦手な人は(1)の『出す』ことを意識して」と強調する。モノの全体量を把握でき、減らす覚悟がつくからだ。

 また(4)の「しまう」ではモノを新たな場所に収めたくなるが、しまう場所を細かく考えていると時間がかかる上、かえって乱雑になることもあるので単純に元の場所に戻すだけで十分という。

■使わない物は捨てる

 モノの要不要を分ける基準は「使ったか・使わなかったか」。筆記具など過去1カ月で使わなかったものは捨てるか譲るなどして手放す。ここで勘違いしがちなのが「使えるか・使えないか」の基準をあてはめようとすること。大半のものは「使える」ので効果的に分けられない。

 モノより悩ましいのが書類の要不要の分類だ。

 斎藤さんは「使用頻度と、その仕事の今の状態の軸でマトリクス化するといい」と助言する(表参照)。例えば仕掛かり中の書類は机に紙で残すが、使用頻度は低いがいつか使いそうな資料などは自分の机に紙で残さずともデータ化すれば事足りる。「今必要かどうかだけでなく、自分が使うのか、チーム全体が使うのかも併せて考えると分類しやすい。チームで同じ資料を持っていれば共有化を進めて個人所有の書類は減らすように」

書類は見出しを付けてファイルし立てると、取り出しやすい

 必要性は分かっているが忙しいから先送り、というのが片付けの苦手な人に多いパターンだ。そんな人に小松さんが勧めるのが1日1カ所15分で(1)~(4)のステップをこなす整理法。もちろん15分で全体はできないのでエリアを細分化し15分でできる小さい場所を整理するのがコツだ。「机の上の左側半分」でも構わない。小さいながら達成感を積み重ねることで自信がつき、やる気の維持にも効果があるという。

 モノが減らせたら整頓、機能的に配置する作業に移る。基本は使用頻度が高いものは自分の近くに、モノは重ねず一目でわかるようにすることだ。書類はファイルしタイトルを書いた上でブックエンドやボックスを利用して立てる。使用頻度の高いものほど、自分の近くに置く。締め切り間際は赤、考え中は緑など、ファイルの色のルールを決めるのもシンプルだが取り扱いが楽になる。

■カギは整った状態の維持

 「整理整頓できたから終わり」ではない。整った状態を維持しなければまた散らかる恐れもある。コツは、(1)使ったらすぐ戻す(2)しまう場所を決める(3)定期的にモノを見直し減らす――の3点。このルールを守ればいい状態を保てるはずだ。

 「効率は当然だが、長時間を過ごすデスクは心地よさも大切」と斎藤さんは付け加える。「机の片隅にお気に入りの本や写真などを置けばモチベーションの向上や同僚との交流のきっかけにもなる」。効率と居心地よさを両立させた机なら仕事もはかどりそうだ。

(ライター 村樫裕理子)

[日本経済新聞夕刊2017年11月27日付]

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