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明電舎は2~3年に1~2台ほどの受注頻度だった電車の架線検測装置を2016年11月に海外で一度に6台受注した。立役者が電鉄システム事業部の小島直人さん(34)だ。機転が利くことが持ち味。保守部門の出身で鉄道会社の課題に神経をとがらせ、あらゆることをイラストにしてさっと伝える。

小島さんたちは東南アジアの鉄道事業者に営業をしている。月に1週間、大型の案件では1カ月ほど出張することもある。小島さんが先頭に立って14年からほぼ2年半、マレーシア鉄道公社と重点的に交渉した。

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小島さんはマレーシアの子会社に出向中の14年6月、高速鉄道の変電設備などを受注してマレーシア鉄道とは接点があった。その後も担当者と互いの事業や製品などの情報を交換。そうした中でマレーシア鉄道が電気系統の事故に悩んでいることを知った。

「うちの装置なら電柱や架線からレールまでの距離が分かります」。小島は担当者に言った。電車は車両の上に取り付けた「パンタグラフ」を架線に接触させて電気を得ている。レールの施工不良で車両が沈んでパンタグラフが架線から離れると電気を受けられず、火花が生じて架線やパンタグラフの損傷を招く。

レールと架線の距離が適切に取られていないことが事故の原因と考えられた。装置を使って距離が適切でない場所が分かればレールを改修して問題が解消できる。装置は線路や設備を点検するために走らせる保守車両の屋根の上に据え付け、カメラで架線の劣化具合も分かる。

小島さんは07年に明電舎に入社してから5年間、日本で鉄道用の変圧器や変電装置などの保守サービスの受注を担当した。顧客は他社製品も使っている。鉄道会社の事務所を回りながら、「保守作業の管理も大変そうだ」と感じた。予算を作る時期に合わせ、要望がなくても導入している機器を一覧にして保守計画を提案して契約を取っていった。課題の困り事にアンテナを張る姿勢が身についた。

そこで売りにしていたのが素早い反応だ。技術を説明する際はその場で簡単な絵を描く。パワーポイントの資料は持ち歩くが、ホワイトボードにさっと描く。その場で描いた方が注意や関心を呼び、「相手の理解をスピーディーに助ける」

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