「魚好き」日本人に着目、顧客の声から大ヒット生む
日本マクドナルドHD社長 サラ・カサノバ氏(下)
マクドナルドの新商品発表会に出席したカサノバ社長(左から2人目。2016年9月28日)
日本マクドナルドホールディングスのサラ・カサノバ社長(52)は、ロシア勤務時代に食材を作る施設も整えた。
ロシアの一般的なレストランはメニューは豊富ですが、いつも具材を切らすことで有名でした。そこで「全てのメニューがお店にあります」と約束し、マクドナルドの店舗で必要な材料を作る施設を設けました。
ミートパティにバンズ、アップルパイ。多くの学生を雇い、マクドナルドの品質基準を教え込みました。ロシアの食品産業の発展に貢献したかったからです。
ロシアに2年勤務した後、トルコに赴任し、1997年に再びロシアに戻りました。今度はロシア、ウクライナ、ベラルーシのマーケティング責任者でした。ロシアではテレビ広告を初めて手掛けたほか、ドライブスルーも導入。ウクライナでもマーケティング部を立ち上げ、現地の従業員を指導しました。
病気の子供と家族の滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス」をロシアに導入しました。モスクワで登記しようとした際、登記所から「全ての情報を持ってきなさい」と言われました。次に「(ドナルド)本人が来なさい」との指示。ドナルドが当社のキャラクターだと知らなかったのでしょうね。ロシアで通算7年間勤務しましたが、当社がクイックサービスレストランの基準を作り上げたと思っています。
ロシアで事業拡大に汗を流したカサノバ社長(右)
マクドナルドの教育機関の講師として、世界の社員を教えた。
母国カナダに帰任してマーケティング責任者を務めたとき、「世界ハンバーガーマーケティング大学」の教授に就きました。1年に1回シカゴで世界から集まるマーケッターに、消費者調査などの方法を教えるのが仕事でした。生徒にはマーケティング計画も立ててもらいました。学長も7年間務め、生徒から色々学ぶことができました。