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ブック、おススメの1冊

「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝 荒川佳洋著 「流行作家」支えた一流の文章

2017/2/16付 日本経済新聞 夕刊

(河出書房新社・2900円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

富島健夫という作家がいた。今でも覚えている人は多いだろう。ジュニア小説と官能小説を書き続けた「流行作家」だった。

この二つのジャンルは性を描くという共通点こそあるものの、正当な評価を得にくい小説でもあった。事実、富島への評価は、黙殺のそれに近かった。発表媒体の問題もあるが、評論家からは低く見られ、テレビでは酷評された。それでも富島は書き続けた。没するまで一貫して「流行作家」たり続けた。さらに言えば、彼の小説を支えていたのは、一流の文章だった。

生前の富島と親交をもった著者による詳細な評伝は、生い立ちからスキャンダル、その死までを語り尽くす力作。『雪の記憶』や『黒い河』の再評価を!

★★★★

(批評家 陣野俊史)

[日本経済新聞夕刊2017年2月16日付]

★★★★★ 傑作
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…

「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝

著者 : 荒川 佳洋
出版 : 河出書房新社
価格 : 3,132円 (税込み)

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