包装に自分らしさ加えたい 気軽で喜ばれるアレンジ法
クリスマスプレゼントを渡したいのですが、お店で買ったものをそのまま渡すのでは味気ない気がします。気軽にできて喜ばれるアレンジ法を教えてください。
丸シールで手軽にアート
百貨店などの包装はリボンやシールできれいに飾ってある。ラッピング初心者が同じように包むのはなかなか難しいが、買ってきたプレゼントの包装に身の回りのものでひと手間加えるだけでも、手軽に自分らしさを演出できる。
箱の主な包み方は3種類ある。左右の両側から合わせるように包む「合わせ包み」、ひっくり返せない場合に向く「スクエア包み」、百貨店などで定番の「斜め包み」だ。正式な場に向くといわれる斜め包みに挑戦してみたが、やはり初心者には難しい。
「既に包んであるものにちょっと手を加えるだけで、見違えるほど華やかになる」。包装用品などを手掛けるシモジマ(東京・台東)のラッピング講師、杉崎悦子さんは「出来合いの包装より自分で集めた素材で意外なアレンジをする方が喜ばれる」と話す。
あると便利なのはマスキングテープやペーパーナプキン、コースターなど。折り紙も活用できる。
ポイントは色の組み合わせ。クリスマスの定番色といえば赤と緑だが「今年の流行色は赤みがかった金色のコッパーゴールド。メタリックカラーの商品が増えている」(同社販売促進課次長の鹿内英喜さん)。金色は赤や緑と組み合わせると見栄えがいいので取り入れたい。一方で青などの寒色系は金色より銀色の方が相性がよく、大人っぽい印象になるという。
マスキングテープを使う場合は柄に注意したい。「柄付きの包装紙に柄付きのテープを貼るとゴチャゴチャした印象になる。どちらかをシンプルにした方が柄がはっきり見える」(杉崎さん)。ドットやストライプなどのテープが無難に合わせやすいという。
コースター、カードに変身
では家庭で手軽にできるアレンジは何か。杉崎さんが「最も簡単」と薦めるのは「丸シールアート」。様々な色や大きさの丸いシールを貼り合わせて一つの絵を表現する手法だ。シールは家庭やオフィスによくあるものでいい。
例えばツリー型に切った緑色の台紙に丸シールを貼れば、オーナメントのような印象になる。手作り感を演出でき、子ども同士のプレゼント交換におすすめだ。
「マスキングテープを随所に貼るだけでもアクセントになる」と杉崎さん。色や柄の組み合わせ次第で自由に印象を変えられるという。箱の縁や包装紙の口の部分を覆うように貼ると補強にもなる。
マスキングテープの粘着面同士を合わせればリボンのようにも使える。杉崎さんによると、胸に付ける勲章のような形の「ロゼット」を、リボンではなくマスキングテープを折り返してつくるのが流行とのこと。出来合いの包装に1つ載せるだけでも特別感がぐっと増す。
ラッピングコーディネーターの武田真理恵さんは100円ショップの活用を薦める。ペーパーナプキンは袋菓子などちょっとした小物を包むのに最適だ。身近にある意外な日用品も発想次第で包装に使えるという。「いかにアイデアを生かすかがカギ」
武田さんの自信作はブッシュドノエル風の包装。丸めたタオルを茶色のマット用滑り止めシートで巻き、リボンで十字に結ぶだけ。お手軽なうえ、ほどいた後にシートが使えるのもポイントだ。
アクセサリーの箱に多いピローケース型の箱は、初心者には包装が難しい。武田さんはリボンを持ち手に見立てたバッグ風アレンジを提案する。たるませたリボンを側面の両面テープに沿って貼り付ける。アクセントにシールを貼れば完成だ。
プレゼントには贈り手の思いを伝えるカードが欠かせない。ここで活躍するのがタグやコースターだ。ひと言書き添えてから穴を開け、リボンを通してラッピングすれば、メッセージカードになる。タグは店で売っているものでもいいし、自作も簡単だ。
ひと工夫加えたプレゼントは温かみが増し、贈り手の顔が浮かぶ。たかがラッピングと侮ることなかれ。
(小柳優太)
[日経プラスワン2016年12月3日付]
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