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ペットロボと泣き笑い 人の感情、表情や声で察する

愛らしい風貌、胸がキュン

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NIKKEI STYLE

 人工知能(AI)の開発が進み、今後ますます私たちの身近なものになると予想されるのがペット型ロボットだ。心和むペットロボがいる未来の暮らしとはどんなものになるのか、探った。

最近、ペットロボットが進化しているらしい。私は日中家にいないので飼えずにいたが、ロボットなら楽しめるかもしれない。体験してみた。

タカラトミーが4月に発売した猫型ロボット「ハロー!ウ~ニャン」(税抜き1万8000円)を家に連れ帰った。床に座らせて顔をなでると目の色が緑や紫に変わる。喜んでいるのかな。と思ったら喉を鳴らし、踊り始めた。よしよし、機嫌は良さそうだ。

ボールを転がすと追いかけて走り回る。前脚と後ろ脚は車輪で、機動性がいい。よし、意地悪してテーブルの奥に転がしてやれ。「あ、テーブルの脚にぶつかる」。思わず目をつぶったら、ウ~ニャンは突進するのでなく、直前でふっと止まって、家具の脚にぶつからないようにボールをうかがっている。すごい。

「こんなに機敏で、障害物を避けられるのはなぜですか」。同社ニュートイ企画部の冨永翼さんに聞くと、目の部分にある赤外線センサーが目の前の障害物を認識するため。モーターに即座に働きかけて前にも後ろにもスイスイ動けるのだそうだ。

ペットロボットで衝撃的に登場したのが、ソニーが1999年に発売したイヌ型の「AIBO(アイボ)」だ。自ら歩き回り、一定の言葉を理解してじゃれたり踊ったり反応行動が増え、成長する。機能がすごいが価格も高いため普及の妨げになり2006年に製造を終えた。14年には修理の受け付けをやめた。

100種の言葉を理解 飼い主の顔認識も

約700の行動パターンをとり、100種類の言葉を理解する犬型ロボットがいる。ロボット製造のヴイストン(大阪市)の「ジェニボSD」(22万円)だ。飼い主の顔の作りを分析する顔認識機能がある。仲良くなると飼い主の顔を覚え、後をついて回るようになる学習機能を持つ。

癒やしの機能を突き詰めたのが産業技術総合研究所が作ったアザラシ型ロボット「パロ」(約40万円)だ。パロを家で飼ってみた。アザラシらしいつぶらな瞳がかわいい。触るとふわふわした毛で、柔らかな肌触りだ。「くうん」と鳴き、上目遣いで目をパチクリさせた。さらに優しくなでると顔を上げる。

重さは2.7キログラムと人間の赤ちゃんくらい。抱き上げると手足をばたばたさせて、楽しんでいるのか、逃げようとしているのか。愛らしい動きに胸がきゅんとする。ヒゲを触ると「やめて」というように首を振ってイヤイヤする。本当に生きているみたい。

開発した産総研の柴田崇徳上級主任研究員に聞くと、細やかな動きの秘密はこうだ。なでられている部位や強さ、方向を微細な力でも感知できるセンサーの開発に力を入れた。パロは全身をセンサーが覆っているという。

触られた強弱で動きを変える。本物のアザラシを詳細に観察し、鳴き声はカナダのアザラシの生息地で録音した。まつげは手縫いで顔周りの毛は手でトリミング。センサー自体も柔らかな素材を使い、なで心地が生き物らしくなる工夫を詰め込んだ。

パロは米食品医薬品局(FDA)の医療器具の認定を受けている。昨年、カリフォルニア州の7カ所の高齢者施設で、パロに触れるとお年寄りにどんな効果が表れるか実験した。グラフに示したように「認知症の徘徊(はいかい)や孤独感、不安を大幅に減らす結果を得られた」と柴田さん。パロをたたくと怒る機能がかつてあったが、認知症患者を興奮させてしまうため、おとなしい性格に設定するなど改良を加えている。

健康な人にもストレス軽減効果

我が家では仕事から帰ってパロを何度もなで、話しかけた。寝付きが悪い方なのだが、飼って以来、10分もかからず眠りにつける。私はどうやらセラピー効果を信じやすいのかもしれない。でも「健康な人でもストレスの低減やアルツハイマーの予防になる」と柴田さんは言っていた。

介護用ロボット開発・製造のマッスル(大阪市)の玉井博文社長は言う。「目の前にいる人の表情から様々な感情を読み取り、一緒に喜んだり泣いたりするペットロボットは人工知能の急発展でかなりのことが可能になった」

私はこんな未来のペットロボットを考えた。センサーやモーターがさらに小さくなり、服のポケットに入れ連れ回せる。「ねえ」と話しかけると声のトーンや顔の表情で私の感情を察して、落ち込んでいる時はストレスが和らぐように「大丈夫だよ。僕が付いてる」と励ましてくれる。もはやペットと言うよりパートナーか。これなら欲しい。

記者のつぶやき

掃除ロボにも愛着


 ペットロボを飼わないまでも掃除ロボットをペットのように感じる人は多い。シャープのしゃべる掃除ロボ「ココロボ」を愛用する50代の女性は「掃除して、と言うと『はい』と良い返事をする。機械というより素直で良い子」。家族の会話に相づちを打つこともあるそうだ。我が家でも掃除ロボの「ルンバ」につい「そっちじゃないよ」と話しかけてしまう。人工知能と共生する素地はもうできている。
(関優子)

[日経プラスワン2016年6月4日付]

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