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肺に穴、息苦しい 気胸はストレス・寝不足も原因 根治めざすなら手術

2014/10/4 日本経済新聞 夕刊

 肺に開いた穴から空気が漏れ出し、息苦しさや胸の痛みを覚えるのが「気胸」だ。15~25歳ぐらいのやせ形男性に多く、ストレスや睡眠不足との関連も指摘されている。治療後も再発しやすい病気だが、最近は患部に網目状の膜を貼り、再発を防ぐ手術法も普及している。

 気胸は肺の表面が部分的に膨らんだ「ブラ」と呼ぶ袋が破れて起こる。呼吸で吸い込んだ空気が穴から漏れ、肺が縮んで息苦しさを覚える。肺が周囲にある胸壁から離れて縮む際に神経を刺激するため、胸の痛みも出るという。

 痛みが起こる場所は胸に限らない。肩や胸、背中など人によってさまざまだ。多くの場合で息苦しさを伴う。痛み自体は数分でおさまっても、その後に息苦しさが続くなら、気胸を疑ったほうがよさそうだ。逆に本人が気胸だと思っても、実際には肋間(ろっかん)神経痛や筋肉痛の場合もある。呼吸器外科などを受診し、レントゲン検査などを受ければ通常、気胸かどうかわかる。

■若い男性に多く

肺にできたブラ(写真上)。胸腔鏡手術で切除し、再発防止のため肺の表面に膜を貼る

 若い男性に発症が多い理由は、体と肺の発育のバランスが崩れブラが多くできるからだと考えられている。特に身長が高いやせ形の人は、肺が収まるスペースが縦に細長く、肺の上部で肺の外側と内側の圧力差が大きくなってブラができやすい。

 日産厚生会玉川病院(東京・世田谷)の栗原正利・気胸研究センター長は「どんなときにブラが破れるのかなど未解明な点もあるが、精神的なストレスや睡眠不足が原因になっていることが多いようだ」と話す。患者への聞き取り調査でも、それを裏付けるような結果が出ているという。

 千葉県在住の20代男性のAさんは、大学の卒業課題に泊まり込みで取り組んでいたところ、肩に痛みを感じた。病院で診察を受け、気胸と診断された。Aさんは1年前にも気胸になっていた。そのときは肩こりだと最初思ったが、背中も痛くなり夜は痛みで眠れないほどだった。

 2回目のときは経験からすぐに気胸を疑い、診察を受けてブラを切除する手術を実施した。Aさんは課題に熱心に取り組んだことが、ストレスを生み発症につながった可能性がある。東京慈恵会医科大学付属柏病院の秋葉直志副院長は「ストレスが原因となって免疫機能が低下し、肺の表面で炎症が起こりやすくなることがブラの破裂につながるのではないか」と指摘する。

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