ヘルスUP

健康づくり

食欲の秋 寝不足は肥満のもと

2014/10/2 日本経済新聞 プラスワン

では、上手なダイエットにつながる睡眠のとり方というのは、どのようなものだろうか。

かたやま内科クリニック(東京都狛江市)院長の片山隆司さんは、「統計上、6~7時間の睡眠が、内臓脂肪が最もたまりにくい」と述べ、「寝不足はもちろん、寝過ぎもよくない」と指摘する。長い時間睡眠をとることは、日中の活動量の減少を招き、ひいては基礎代謝の低下をもたらす。

理想の睡眠時間をめぐっては様々な説があるが、左藤さんもダイエットに限れば7時間睡眠を勧める。その上で、脂肪を分解する「成長ホルモンは、眠りについた直後の3時間にまとめて分泌されるので、最初の3時間をしっかり眠ることが大切」と説く。

さらに、「成長ホルモンが活発に分泌される時間帯は午後10時から午前3時までということがわかっている。あまり夜更かしなどせず、この時間帯にはぐっすり眠っているようにしたほうがいい」とアドバイスする。

睡眠は、時間を確保するだけでなく、ぐっすり眠ることにも気を配りたい。同じ睡眠時間でも質が悪いと、レプチンや成長ホルモンが十分に分泌されないからだ。

■お酒など頼らず

寝る前に食事をすると、胃腸の動きが活発になり、眠りが浅くなりがち。眠っている間は食べた物が脂肪になりやすいため、寝る前の食事は体重を管理するうえで二重のマイナスだ。

お腹のでっぱりを気にする人がよくやるのが、寝る前の腹筋運動。これも「交感神経が刺激されて体が覚醒してしまうので、睡眠にはよくない」(左藤さん)。交感神経をあまり刺激しない軽い運動なら問題ない。

また、眠れないからといって、アルコールに頼る人もいる。寝酒をあおると確かに寝付きはよくなる。しかし、眠りが浅くなり睡眠の質の向上にはつながらないため、好ましくないと専門家は口をそろえる。

◇            ◇

■食事、運動とセットで改善

無理なく健康的に痩せるためには、睡眠だけに気をつけていても不十分だ。片山さんは、「健康的な食生活と運動を組み合わせ、さらには普段の生活習慣を改善することが大切」と話す。

ダイエットを妨げる生活習慣の一例が、寝る前にベッドの中でパソコンやスマホをいじることだ。夜更かしにつながるだけでなく、画面の光の刺激によって睡眠の質が低下する。

減量がうまくいかない原因となる生活習慣は、意外だったりささいだったりするものも多い。最初の一歩として、肥満外来やダイエット外来で、自身の生活習慣をチェックしてもらうといいかもしれない。

(ライター 猪瀬 聖)

[日経プラスワン2014年9月27日付]

ヘルスUP 新着記事

ALL CHANNEL