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食欲の秋 寝不足は肥満のもと

2014/10/2 日本経済新聞 プラスワン

 食欲の秋は、体重が気になる人にとって要注意の季節だ。ダイエットの王道として真っ先に思い浮かぶのは、「食べ過ぎないこと」「適度に運動すること」の2つだろう。しかし、多忙を極める現代人だからこそ、おさえておきたいポイントがもうひとつある。それは「しっかり寝ること」。

 「睡眠が不足すると肥満になる」と強調するのは、内科医で佐藤桂子ヘルスプロモーション研究所(東京都中野区)所長の左藤桂子さんだ。

 睡眠と肥満の間に密接な関係があることは、最近の様々な研究や調査で明らかになりつつある。

 米コロンビア大学が今年8月に発表した調査結果によると、睡眠時間が6時間未満の16歳の子どもは、同8時間の同じ年齢の子どもに比べ、5年後に肥満になる割合が20%も高かったという。

■肥満自覚3倍弱

 寝具メーカーのアイシン精機がこの6月、約1200人の社会人の男女を対象に睡眠時間と肥満の関係を調査したところ、睡眠時間が4時間未満の人は、29.2%が自分の肥満を自覚していた。これは4時間以上の人の2.8倍にあたる。

 なぜ睡眠不足だと肥満になるのか。その関係を解き明かす鍵の一つが「レプチン」だ。

 レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンの一種で、1990年代半ばに発見された。体内の脂肪量が増えると食欲を抑える働きのあるレプチンの分泌量が増える。一方で食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌量は減る。その結果、食べ過ぎを防ぎ、体重の過度の増加を抑える。

 注目すべきは、「ストレスが高じたり自律神経のバランスが崩れたりすると、レプチンが分泌されにくくなる」(左藤さん)点だ。ストレスを和らげたり自律神経のバランスを維持したりするのに有効なのが、十分な睡眠。つまり、日ごろからしっかり睡眠をとっていれば、レプチンが正常に分泌され、食欲は上手にコントロールできる。

 また、十分な睡眠は、脂肪を分解する力を持つ成長ホルモンの分泌も促すという。成長ホルモンの分泌量は18歳ごろがピークだが、十分な睡眠を心掛けていれば、大人になっても分泌量の減少幅を小さくできると左藤さんは指摘する。

 スリープクリニック調布(東京都調布市)院長の遠藤拓郎さんも、肥満につながる睡眠不足について警鐘を鳴らす。「睡眠不足が肥満を助長し、肥満になると糖尿病や睡眠時無呼吸症候群が増え、糖尿病による夜間頻尿や、無呼吸による中途覚醒も増えるなど、悪循環に陥る」

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