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食事・運動… 苦しい痛風、対策は生活習慣改善から 遺伝子タイプで発症リスクに差

2014/5/31 日本経済新聞 夕刊

 暑くなる季節は、足の親指の付け根などが腫れて激痛に襲われる「痛風」の発作が多くなる。発汗などで体内の尿酸の濃度が高まるのが原因といわれる。痛風は飲み過ぎや食べ過ぎ、食生活の欧米化などを背景に、若い男性に増えている。食事や運動などに気をつければ「痛風だけでなく他の生活習慣病の予防にもつながる」と専門家は話す。
痛風によって足の親指の付け根が腫れている状態(大阪府高槻市のみどりケ丘病院・清水徹医師提供)

 痛風の発作は「風が吹くだけで痛む」「骨折した際の痛みより強烈」などと形容される。厚生労働省の国民生活基礎調査による直近のデータでは国内患者数は約96万人(2010年時点)と推定されている。

 千葉県柏市に住む50代男性のAさんは健康診断で、尿酸濃度が高く痛風の予備軍である「高尿酸血症」になっているといわれた。そこで医師に処方された尿酸値を下げる薬の服用を始めた。血液中の尿酸値が下がったが、まだ高尿酸血症だと診断される1デシリットル当たり7ミリグラムを超える値。発作こそないものの、2~3日に1回は歩く時に足の親指の付け根がチクッと痛むことがあるという。Aさんは食べ物に気をつけるなど生活習慣の改善にも取り組み始めた。

■患者の9割が男性

 痛風は尿酸濃度が高い状態が続くと起こる。徐々に尿酸が結晶化して関節にたまり、何らかのきっかけで結晶の一部が崩れると白血球が異物と認識し、患部で炎症が起きる。初めて痛風に見舞われる人の70%以上は足の親指の付け根で起きる。

 尿酸は男性ホルモンの働きで体内で増えやすいため、患者の9割以上が男性だ。女性では女性ホルモンの影響で体内の尿酸濃度は低くなるが、閉経後は注意が必要だ。中高年に多いとされてきた痛風だが、今は20~30代でも増えている。食の欧米化のほか、飲み過ぎや食べ過ぎなどが影響していると考えられている。

 遺伝子のタイプが発症しやすさに関係しているのも分かってきた。防衛医科大学校の松尾洋孝講師らが痛風を発症した男性患者約700人を調べると、4人のうち3人の割合で「ABCG2」という遺伝子に特定の変異があった。

 体外に排出される尿酸の約3分の2は尿を通じて体外に排出されるが、残りは腸管から出ていく。この遺伝子は主に腸管での排出に関わっており、変異があると排出機能が弱まる。発症リスクは排出機能が正常な人の3倍以上で、変異の中でも特に機能が低いタイプに限定すれば10倍。これを20代以下だけで計算するとリスクは約22倍になった。

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