では、さまざまな効果が期待できる足湯には正しいやり方があるのだろうか。自宅で実施する際は「容量15リットルと少し大きめのバケツに38~42度の湯を入れ、7~20分間ほどつけるとよい」と仏教大学の新田紀枝教授は勧める。汗ばんできたら終えるのが目安だ。
特にリラックスしたい人や寝付きをよくしたい人はぬるめの湯を、半身浴のように血行促進効果を期待する人は熱めの湯を使うのがコツ。温まりたい人は湯を多めに入れよう。時折差し湯をすれば温度が保てる。
また、バケツを足ごとビニール袋で包むと保温効果が増すという。好みに応じて炭酸入浴剤やアロマテラピー用のエッセンシャルオイルを入れると気分転換になる。場所は浴室でもリビングルームなどでもよいが、寒くならないように気を付ける。
底が円いバケツで足が窮屈に感じる人向けに、足をそろえた形の専用バケツもある。フットバス(足浴器)と呼ぶ家電製品も売られているので、検討するのも手だ。足湯を終えたら、タオルでよく拭いてすぐ靴下を履けば保温につながる。
椅子などに腰掛けるのが一般的だが、ビニール袋とひもなどを活用すれば、高齢者などでもあおむけに寝たままで足湯が実践できる。
ただし注意点もある。熱めの場合は心拍数が上がりやすいので、高齢者や循環器系の病気を持つ人は注意が必要だ。心臓がドキドキしたり、気持ち悪くなったりしたら、すぐ中止しよう。
足湯の施設でも自宅でも、ズボンなどをまくるだけで手軽にできるのが足湯の魅力。一度試してみると案外楽しめるかもしれない。
(草塩拓郎)
ひとくちガイド
《本》
◆足湯や入浴などで冷え性を改善する方法を紹介
「新版 万病を治す冷えとり健康法」(進藤義晴著、農山漁村文化協会)
《ホームページ》
◆足湯や入浴の医科学的な研究を進める
一般財団法人・日本健康開発財団設立の温泉医科学研究所(http://www.onsen-msrc.com/)
《本》
◆足湯や入浴などで冷え性を改善する方法を紹介
「新版 万病を治す冷えとり健康法」(進藤義晴著、農山漁村文化協会)
《ホームページ》
◆足湯や入浴の医科学的な研究を進める
一般財団法人・日本健康開発財団設立の温泉医科学研究所(http://www.onsen-msrc.com/)
[日本経済新聞朝刊2014年3月2日付]