「銀の卵」渋く輝く貴重な働き手
コトバ百貨店
その昔「夢の大金」といえば100万円。身の破滅を意味する「失敗したら100万円」とか、子ども社会でもやたらと「100万円」が飛び交っていた。ところが1970年ごろに100万円を突破したサラリーマンの平均年収は、90年ごろには400万円台に。夢の大金も、バブル期には「1億円」くらいに跳ね上がっていたと思う。
そんなハイパーな日本の高度成長を支えていたもののひとつが、中卒や高卒の若い人材。将来重要な戦力となることから「金の卵」と呼ばれ、64年の流行語にもなった。
そこから半世紀、今度はこんな卵が就職市場で注目されている。中高年の労働者を指す「銀の卵」だ。ピカピカとはいかないが「いぶし銀」の渋い輝きを放つことから、はたまた「シルバー世代」に引っかけたのか、こう呼ばれる。
ベテランだけに仕事のスキルはもちろん、交渉能力や教育能力に熟練した人も多く、労働人口が減少する時代の見逃せない働き手に。早くも40~50代の採用を「銀たま採用」と呼んで注目する「リクナビNEXT」のような転職情報サイトも登場している。ま、自分の場合、すでにいぶしすぎて真っ黒なんで、磨いてくれるならお早めに!
(ライター 福光 恵)
[日経プラスワン2014年1月18日付]
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