アプリ入門 ダウンロード前に押さえたい基本知識
個人情報の扱いに注意
アプリは「アプリケーション」の略。利用するには大きく分けて2つの方法がある。1つはスマホを購入したとき、既に端末に搭載されているものを使う方法。機種で異なるがカレンダー、音楽配信、電話帳などの機能が入っている例が多い。
こうしたアプリを試して便利なら使い、不要と判断したら削除すればよい。ただし削除できなかったり、削除できても利用停止手続きが別に必要だったりするケースもある。分からない場合は購入した店で相談しよう。
アプリを増やすにはネットの提供サイトで自分の使いたいものを探し、有料または無料でダウンロードする。端末によって利用できる提供サイトは決まっている。「iPhone(アイフォーン)」なら「アップストア」、「アンドロイド」なら「グーグルプレー」と、通信会社などが用意したサイトだ。アイフォーンのアプリはアンドロイドで利用できない。逆も同様だ。
ではアプリを入手する際、どんな点に注意すべきだろうか。まず公式サイト以外は使わないこと。公式サイト以外でもダウンロードできるサイトはあるが、運営者が誰なのかよく分からない場合が目立つ。また不特定多数の利用者に送り付ける広告メールなどに記されたリンク先からダウンロードすると、ウイルスに感染する懸念もある。
無料のアプリを安易に使うのも避ける。無料は広告付きのものが多い。広告を表示するのに通信費用がかかるほか、電池の消耗も早くなりやすい。当初は無料でも、使ううちに追加課金が必要になるアプリも増えている。子どもなどが仕組みをよく理解しないで利用し、多額の追加料金を請求される例もある。
個人情報の扱いにも細心の注意を払おう。アプリをダウンロードする際は業者による個人情報の収集や利用に同意するよう求められるのが一般的なためだ。スマホ端末は電話番号、メールアドレス、ネットの閲覧履歴、アプリの利用履歴、全地球測位システム(GPS)などをもとに利用者の現在地を割り出す位置情報、電話帳データなど個人情報の宝庫だ。
業者は個人情報をビジネスに活用する。ネットの閲覧履歴をもとに利用者の関心のある商品の広告を配信したり、位置情報をもとに最寄り店舗の割引クーポンをスマホに送ったりすることができる。
問題はダウンロードする際に利用者の許諾を得る画面を表示せず、無断で個人情報を収集する不正アプリが少なくないこと。利用者が気付かないうちに電話帳データを抜き取り、名簿業者などに転売する例もあるという。
許諾画面を表示するアプリでも説明をよく読む必要がある。許諾画面には「ネットワーク通信」「ストレージ」「携帯のステータスとIDの読み取り」など一見しただけでは何を意味するのか分からない項目が並ぶアプリは多い。
各項目を選択し説明を読むと「携帯のステータスとIDの読み取り」は端末が通話中かどうかや通話相手の電話番号などの特定の許可を求めていることが分かる。よく読んでもどの個人情報を収集しどう使うのか分からなかったり、不審な点があったりすれば利用の中止を検討したい。
アプリを選ぶ際は利用者数(ダウンロード件数)が目安の一つになる。ダウンロード件数は購入時に明示されるのが一般的で、利用者の多いアプリは頻繁に改良版が配布される。通常の機能向上に加え、不正アクセスに対応する目的も多い。
(テクニカルライター 佐藤 信正)
[日経プラスワン2013年12月14日付]
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