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慢性の腰痛、実は筋肉痛… しこり押すと強い痛み 正しい姿勢や運動大切

2013/11/23 日本経済新聞 夕刊

国内の慢性的な腰痛患者は約2800万人といわれる。神経を圧迫する椎間板ヘルニアのように原因が分かる場合もあるが85%は原因不明だ。その中には神経痛ではなく、筋肉痛の一種「筋筋膜(きんきんまく)痛」の患者も多いようだ。日ごろの姿勢の悪さや運動不足などが響いて症状が重くなる。生活習慣を正していくのが重要だ。

慢性の腰痛をかかえる人に多いのは、痛みがひどくなるたびに病院を受診し、レントゲンをとって消炎鎮痛剤などを処方されることの繰り返しだ。東京慈恵会医科大学の北村俊平助教は「慢性患者には、痛みが引かないからと、いくつも病院を受診する人がいる。その中には筋筋膜痛の場合も多い」と指摘する。

■神経痛はピリピリ

筋筋膜痛とは、分かりやすく言えば筋肉痛だ。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症といった神経を圧迫する神経痛は、神経にそってピリピリとした痛みやしびれなどがある。触ると痛く、感覚が鈍くなるなどの神経障害が起こる。筋筋膜痛の症状にはこの種の神経障害がなく、傷めた筋肉の特定場所が痛むのが特徴だ。

筋筋膜痛は筋肉の損傷や過剰な負荷、疲労の蓄積などで起こる。急性期は数日たつと治るが、いつまでたっても回復しない慢性痛になる場合もある。姿勢の悪さや運動不足といった様々な生活習慣がかかわっており、原因の特定は難しい。

診断では問診で痛み方などを確認するほか、触診や画像検査、血液検査の場合もある。まずは治療を優先する原因がないか確かめる。骨折や感染症、がんでも、痛むときがあるからだ。このときは原因を解決すれば痛みはなくなってくる。

筋筋膜痛の場合、医師は筋肉の中にある「トリガーポイント」と呼ぶしこりを探す。ここを押すと強い痛みを感じる。画像検査や血液検査では見つからない。

治療はまず運動療法。慢性痛では絶対安静が必要な場合はあまりないという。筋肉が動くと血流が良くなり老廃物が出る。運動を続けると、慢性痛が無くなることもある。運動の効果は認められており、座骨神経痛でも筋筋膜痛でも、動ける範囲で動かすことが重要なのは覚えておこう。

体を動かさなくなると筋肉が萎縮し、ふたたび痛くなるという悪循環に陥る。はじめは単純な痛みでも、数年たつと痛みの原因が分からない慢性痛になってしまう。60代からは年1%の割合で筋力が落ちる。筋力維持にも運動は重要だ。

ストレッチのような軽い運動を5~10分でもいいので取り組むことが大事という。腰痛の人は動くのを怖がりがちだ。運動の習慣を意識しよう。下半身が痛いときには上半身のストレッチから始めるときもある。筋力やバランス力が付き、けがを避けやすい。

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