ヘルスUP

健康づくり

ご飯で健康づくり 長所を生かす食べ方は

2013/10/3 日本経済新聞 プラスワン

新米のおいしい季節がやってきた。近年、ご飯などの炭水化物を「健康のために」と敬遠する人が増えているが、じつはご飯は、毎日の献立の栄養バランスを改善するのに便利な食品。食品科学や栄養学の専門家に、ご飯を健康づくりに役立てるコツを聞いた。

ご飯などの炭水化物を控える人が増えたきっかけは、1980年代に食品のGI値(グリセミック指数)の考え方が提唱されたことだ。食後の血糖値上昇の度合いを数値化したもので、値が高いほど食後の血糖値が上がりやすく、肥満などをもたらしやすいと考えられた。ご飯、パン、麺類など炭水化物中心の食品は、GI値の高いグループに入ったため、これらを控えることがダイエットに向いていると考える人が増えた。

■粒で食べる穀物

それに対して、ご飯は上手に食べれば血糖値の上昇を穏やかにしやすい食品だと考える専門家もいる。食品総合研究所(茨城県つくば市)で穀類利用について研究するグループのユニット長、奥西智哉さんは「小麦など主食に用いる穀類の多くが粉にひいて利用するのに対して、コメは粒ごと食べることが特徴」と解説する。コメの粒は約18万個の細胞から構成されているため、加熱調理しても独特の食感を保つ。意識してしっかりかむことで、自然とゆっくり食べることになり、実質的なGI値を下げてくれる。しかも、かむ刺激によって少量でも食事の満足度をアップしてくれるというメリットもある。

また、コメに含まれるでんぷんのうちアミロースが多いと難消化性になり、血糖値の上昇を穏やかにするという。最近では、ご飯を冷ますとアミロースの構造が変化し、より消化が穏やかになるという研究報告もある。

健康づくりを意識した社員食堂で知られるタニタの社員食堂担当栄養士、荻野菜々子さんも「1食500キロカロリー前後、塩分も3グラム前後という献立づくりに、ご飯はかかせない」と話す。

実際、タニタの社員食堂では、1カ月に数回の麺類の日以外は、白米、胚芽米、玄米のいずれかが提供されている。しっかりかんで食べられるご飯は、麺類などと比較して量を調節しても満足感が得られるという。

荻野さんは「ご飯は、和・洋・中華のどのおかずにも合う上、それ自体に脂質はほとんどなく、塩分を含まないため食事全体の栄養バランスを取りやすい」と説明する。一方、パンは「それ自体に塩分を多く含む上、脂質の多いおかずが欲しくなる」といった理由で、献立に採用されてこなかったという。パスタも「おいしく食べるには、ソースに一定の塩分や脂質が必要になる」ので1種類限定だ。

ヘルスUP 新着記事

ALL CHANNEL