東京駅周辺にクリニック続々 交通アクセス強み通院、外国人や首都圏以外からも

再開発が進むJR東京駅の周辺には最近、有力な医療グループのクリニックが続々と誕生している。交通アクセスの良さに加え、医療機器や医師らスタッフの充実など質の高い医療をPR。近隣のビジネスマンやOLのほか、外国人や首都圏以外からも通院者が集う。半面、賃料が高く、運営コストの高さなど課題も抱えている。競争の激化が予想される中、医療機関としての魅力をどうアピールできるかが経営を左右しそうだ。

八重洲口から徒歩6分。東京・京橋の24階建ての高層ビル内に16日、「亀田京橋クリニック」がお目見えした。ワンフロアで広さ1050平方メートル。脳神経外科や心臓血管外科など専門科目のほか、女性の骨盤臓器脱や尿漏れを診るウロギネ科や乳腺科など、女性科関連も充実させた。機器を体内に入れずに検査できる「大腸3D―CT」など最新の医療機器もそろえ、外来患者だけではなく、企業の健診需要の獲得も狙う。

■外国人も取り込む

開設した亀田京橋クリニックの最新型CT、企業の健診需要の獲得も狙う(東京都中央区)

同クリニックは亀田総合病院(千葉県鴨川市)を運営する医療法人、鉄蕉会が開院。鴨川の本院の部長級のベテラン医師が診療に当たり、8月1日には一般外来も始まる。亀田隆明理事長は「電子カルテも本院と共通。本院と同等のクオリティーの医療が提供できる」と自信をみせる。

東京駅周辺の進出を検討したのは、2年ほど前。本院で首都圏など遠方からの入院患者が約15%を占め、入院前の外来と退院後のフォローを担う窓口となるクリニックを必要とした。八重洲口からは本院直行の高速バスも発着。「本院で手術件数日本一を目指す」(亀田理事長)上で、交通の利便性も見逃せなかった。7月の人間ドックはすでに予約で埋まった。東京都品川区の会社役員(61)は早速、人間ドックを予約。片道2時間かかる亀田総合病院には忙しくて通えなかったといい、「自宅から30分の場所で受診できるのはありがたい。心待ちにしていた」と喜ぶ。

先行開業する近隣のクリニックでは、やはりスタッフや医療機器の充実などで、富裕層や外国人患者への取り込みに力を入れる。

(1)イーク丸の内(2)東京クリニック(3)榊原サピアタワークリニック(4)イムス東京健診クリニック…東京北部が地盤のIMS(イムス)グループが健康診断や人間ドックに特化して開院(5)アムス丸の内パレスビルクリニック…大阪が地盤の医療法人城見会が運営し人間ドックに専門特化(6)聖路加メディローカス(7)亀田京橋クリニック

昨年10月、丸の内口側の再開発ビルの大手町フィナンシャルシティサウスタワーに開業した「聖路加メディローカス」。聖路加国際病院(東京・中央)の分院という位置づけだ。外来は完全予約制で、近くに勤務する男性会社員(51)は「医師が時間をかけて診察し、親の病歴まで含めてじっくり話を聞いてくれて助かる」と話す。

運動機器をそろえた専用ルームでトレーナーのアドバイスを受けながら健康づくりができる会員制サービス(入会費189万円、年会費63万円)を展開。中小企業の経営者らの応募が多いうえ、聖路加を受診していなかった新規の外来患者は約3割に上る。さらに、英語が堪能な医師や看護師らをそろえた。外来患者に占める外国人は4~6月で平均5%超と本院の2倍に。門田美和子マネジャーは「新たな患者層の開拓につながっている」と強調する。

八重洲口側にある「榊原サピアタワークリニック」には2012年、外来患者は延べ約2万5千人、人間ドック・健診は約1万8千人が利用した。心臓病で国内有数の治療実績を持つ榊原記念病院(東京都府中市)出身の医師らが診療に当たる。東京駅に直結する地の利から、新幹線で静岡県や栃木県から通う外来患者もいるという。「現在の検査機器の台数では人間ドックや健診の受け入れに限界がある。外来を強化したい」(北原公一院長)

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