準備から虫観察まで 夏のキャンプ、アプリで満喫
夏本番を迎え、キャンプに出かけて友達や家族と楽しく過ごそうという人も多いだろう。心置きなく楽しむには十分な準備が必要。自然を満喫できれば楽しさも増す。快適なアウトドアライフに役立つアプリを紹介する。
「仕事が忙しくてなかなか店に行けない。買い忘れた小物を手っ取り早くそろえるのに便利」。都内に住む30代の男性会社員がキャンプ用品をそろえる際に勧めるのが、アウトドア用品製造販売のモンベル(大阪市)のカタログアプリだ。
寝袋やテント、靴など様々な商品を網羅し、性能や使い方を詳しく紹介している。冊子のカタログは原則、同社の会員に配布しているが、アプリのカタログは会員でなくても見られる。画面の商品に触れると通販サイトに飛び、そのまま購入できる。こまめに補充しておきたいキッチン用品や小物類を買うのにうってつけだ。
移動中のトイレ案内
6月28日に開業したばかりの「モンベル品川店」(東京・港)。買い物をしていた乳児連れの30代の男性が「移動の道すがらに便利」と教えてくれたのが、最寄りのトイレの位置を教えてくれるアプリだ。
日本デジタル(東京・新宿)の「トイレなう」はその代表例。自分がいる周辺の15のトイレの位置を地図上に表示してくれる。トイレを貸してくれるコンビニエンスストアも多いが、このアプリはおむつの交換台などを備える「多機能トイレ」を表示してくれるため、女性や子ども連れで出かけるときに重宝しそうだ。
どこに遊びに行くのかも悩みどころだ。キャンプ場選びならエーアンドオー(東京・渋谷)の「全国オートキャンプ場マップ」が参考になる。全国1000カ所以上のオートキャンプ場の情報を網羅している。現在地の周辺にあるキャンプ場を表示し、道順を案内してくれる。営業時間や料金、風呂や電源の有無、ペットの持ち込みの可否なども分かる。
現地に着いてからも何かと役立つアプリがある。リクルートホールディングスの「虫判定器」は写真を撮ると虫の名前や特徴を教えてくれる。
同社は植物を解説する「植物判定器」も提供している。虫判定器が「iPhone(アイフォーン)」とアンドロイド端末の両方で無料で使えるのに対し、植物判定器はiPhoneでしか利用できない。2回目以降の利用には1回につき85円かかる。
万が一の時にも
朝早く目を覚ましたときに鳥のさえずりが聞こえるのもキャンプの楽しみの一つ。そんなときは、NPO法人のバードリサーチ(東京都府中市)と電気通信大学笠井裕之研究室が共同開発した「さえずりナビ」を使ってみよう。
全地球測位システム(GPS)を使って現在地を特定した後に季節などの情報を入力すると、鳴いていると思われる野鳥を絞り込んでくれる。鳴き声を再生するので、絞り込んだ鳥の中から実際に鳴いている鳥を特定できる。
キャンプには万が一はつきもの。保健同人社(東京・千代田)の「応急手当」やC2(東京・文京)の「救命・応急手当の基礎知識forポケットメディカ」では急なケガや虫さされの際にどう対処すべきかが調べられる。「こむら返りをしたとき」「呼吸が苦しい」など、いずれも症状別に対処方法を検索できる。
(消費産業部 関口圭)
[日本経済新聞夕刊2013年7月11日付]
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