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パーキンソン病、日本発の新薬と他の薬を併用 効果長持ち

2013/7/6 日本経済新聞 夕刊

 手足が震えたり動作が緩慢になったりするパーキンソン病は、進行すると歩き方がぎこちなくなり、日常生活にも支障をきたす。根本的に治す治療法はないが、症状をできるだけ長く抑える新薬の登場が相次いでいる。従来とは作用の仕方が違う薬が世界に先駆けて日本で使えるようになり、治療の選択肢も広がってきた。ただ、薬の効き方や症状の個人差が大きいことも同病の特徴だ。自分にあった治療ができるように主治医とじっくり相談したい。

 「新薬は従来の薬と一緒に使え、治療の選択肢が増えるので朗報」。患者会「全国パーキンソン病友の会」(東京・中野)で会計を担当する桜井時男さん(77)はこう話す。8年前に発症し、複数の薬を飲みながら毎日同会に通勤する。

 新薬とは5月に発売された「イストラデフィリン(商品名ノウリアスト)」。ほとんどの患者が使っている基本の薬「L―ドーパ」とは違う物質を標的にして症状を抑える。「従来薬を増やしたくても副作用の懸念で増やしにくかった患者に使いやすいだろう」と新薬治験の助言をしていたリハビリテーション花の舎病院(栃木県野木町)の近藤智善院長は話す。

 パーキンソン病は脳の黒質という部分で、運動の指令にかかわる神経伝達物質ドーパミンを作る神経細胞が減って起こるとされる。患者の9割は原因不明。50~65歳での発症が多く、国内の患者数は約15万人。高齢になるほど発症しやすくなるため、患者数も増えている。

 治療は、ドーパミンを補充する「L―ドーパ」の服用が主体。よく効く薬だが、何年か使い続けると効果の持続時間(オン)が短くなり、効果が切れて動きにくいなどの症状が出る(オフ)時間が出てくる。服用量を増やすと、自分の意志とは無関係に手足が動くジスキネジアという症状が出やすく「増やすのには限界がある」(近藤院長)。

■バランス整える

 このためドーパミンの働きを補う「ドーパミンアゴニスト製剤」を併用することも多いが、効果を持続させるのは限度があり、幻覚などの副作用の心配も出てくる。

 治療期間が長くなると多くの患者は1日に何度かある薬の効果切れに悩まされる。「怖くて外出を控えたり、夜間や早朝にトイレに間に合わなくなったりするなどで困る患者は多い」(桜井さん)のが現状だ。

 新薬はドーパミンとは作用が違うアデノシンという物質の働きを抑制し、減ったドーパミンとのバランスを回復させて運動機能を改善させる。臨床試験では1日1回服用すると、「L―ドーパ」が効かなくなるオフ時間が1日平均約1時間短くなった。臨床試験に参加したほとんどの患者は、「L―ドーパ」を含めた複数の薬を併用していたため、既存薬と一緒に使える薬だという。

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