睡眠・カロリー・仕事… 生活改善、スマホが手助け
スマートフォン(スマホ)を使って生活習慣を改善するアプリが充実してきた。人気の健康メニューを家庭で作るためのレシピ管理や、日々の睡眠を記録して体質改善に役立てるアプリだ。1日の行動計画に沿ったスケジュールを通知・記録してくれるものもある。生活を見直すきっかけになるかもしれない。
「体脂肪計メーカーのタニタが社員食堂で出している健康メニューを食べられる」として人気の「丸の内タニタ食堂」(東京・千代田)。2012年1月のオープン以来、連日満席が続く。
「タニタ食堂」忠実に
このメニューを家庭でも楽しみたいという人にお薦めなのが「体脂肪計タニタの社員食堂」アプリだ。同食堂で提供しているメニューのレシピを掲載した書籍の出版元である大和書房(東京・文京)が開発した。11年7月の公開以来、ダウンロード数は8万件弱に達した。紹介されているメニューはどれも500キロカロリー前後だ。
アプリならではの特徴を多数盛り込んだ。メニューごとの食材を購入する際に1~4人の間で人数を変えると、必要な食材の分量を自動計算する。登録された料理を自由に組み合わせ、自分だけのオリジナル定食を作って登録できる。これもカロリーを自動計算してくれる。
同食堂は低カロリーだが「満腹感を得られるように、かみ応えや歯応えを重視して調理している」(タニタ)。アプリも食堂メニューを忠実に再現できるようにしている。カットする野菜の大きさを指示しているほか、特徴的なのがタイマー機能だ。食材を煮たりゆでたりする際、指定された調理時間をタイマーに自動設定してくれる。
作るメニューが決まったら、次は買い物だ。どうせなら少しでも出費を抑えたい。そんなときに役立つのが、特売情報が毎日スマホに配信される電子チラシアプリだ。
凸版印刷の「Shufoo!」は、大手量販店やスーパーなど1800社、約8万5000店が参加。自宅などの地域を指定すれば、最寄り店舗の特売情報を朝と夜の2回、スマホに配信する。
大日本印刷の「オリコミーオ!」はネットスーパーなどEC(電子商取引)サイトとの連動機能が特徴だ。チラシの閲覧画面からネットスーパーの購入画面へ移動できるため、自宅にいながらにして買い物ができる。
ダイエットと並ぶ健康管理のテーマが睡眠だ。毎日の睡眠状態を記録できるのが、エスエス製薬の「ぐっすり~ニャ」。12年3月に公開し、ダウンロード数は45万件に達した。寝る前にアプリを起動して枕元に置く。スマホに搭載した加速度センサーを使い、睡眠時の寝返りなどの動作を記録していく。
眠りの深さも記録
睡眠時間に加え、時間帯ごとの眠りの深さも記録できる。杏林大学医学部精神神経科学教室の古賀良彦教授が監修しており、代表的な睡眠のパターンを掲載した。各パターンに応じた睡眠改善の簡単なアドバイスを見ることもできる。
米アップルのiPhone(アイフォーン)内蔵のカメラをセンサーとして使い、心拍数を計測するアプリが「カルジオグラフ」だ。指先にカメラをあててアプリを起動。計測中にカメラのフラッシュが光り続け、指先の血流などを撮影し心拍として認識する。測定した日付と時刻、場所の位置情報も記録できる。
「いつも気がついたら時間だけが過ぎていて仕事がはかどらない」。こんな人には行動計画に沿ったスケジュールを通知・記録してくれるアプリ「Toodledo(トゥードゥルドゥー)」がお勧めだ。
こなすべき仕事の種類と開始時間、締め切りなどを入力。開始時間や締め切り時間が近づくと通知が表示され、作業の進捗を管理する。スケジュールの情報はスマホやパソコンなど複数の端末間で共有可能だ。
アプリ開発元の担当者が生活改善のカギとして口をそろえるのが「できるだけ長く続けること」。継続は力なり。いつも持ち歩くスマホを使えば、三日坊主も解消できるかもしれない。
(産業部 玉置亮太)
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