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 職場でプロジェクトチームのリーダーに任命された、PTAや町内会の会長になった、サークルの責任者になった――。組織のメンバーをとりまとめて引っ張っていくにはどうすればいいのか。リーダーシップの要諦を達人に聞いた。

キヤノン電子社長の酒巻久さん(72)は社長就任時の1999年から13年間で経常利益を10倍に増やした手腕を持つ。リーダーはまず「自分は何を実現したいと思っているのか、夢や目標を明確に持たなくてはいけない」と話す。

就任した時、「世界トップレベルの高収益企業になろう」と考え、そのために「開発のスピードや生産スペース、原材料を従来の半分に減らす」という目標を立てた。

社内には「すべてを半分になんてできるわけがない」との声もあったが、2002年に達成した。夢を持ったら、それを具体的な目標にして組織のメンバーが納得するまで語り続ける。そうすれば「人は必ず動いてくれる」。

自分は特に何もしたいことがないのに、受け売りの夢や目標を語って、ムードで人を動かそうとしてはいけない。「自分が本当に信じていて、それを受け入れてくれた人や組織、世の中が幸せになるような夢や目標を語ること」が重要だと酒巻さんは話す。

さらに、リーダーには優しさと思いやりが必要だ。「リーダーが自分の利益のために言っていることを相手に押しつけたり、我を通したりしてはいけない。それでは夢や目標の実現は不可能だ。本当に相手のためを思って行動しよう」とアドバイスする。

時には叱らなければならない局面も出てくる。だが理想のリーダーとは「ああしろ、こうしろ」と細かく指示するものではないという。

「自分で考えさせるのが本当のリーダー。自分の間違いや、次は何をすべきかを自分で気がつくように仕向ける。叱るのはその手段の一つにすぎない」

もし自分は我が強くて、こまやかな配慮ができそうにないという人は、メンバーとの間に入ってフォローしてくれる人を見つけるといい。「個々のメンバーの強みと弱みを把握し、自分が持っていない能力を持っている人を探す。その人に任せることも大切だ」と酒巻さんは考える。

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