アキレス腱断裂、30~40代で多発 日常生活でも発生

スポーツの秋を迎え、夏の間の運動不足を解消しようという人もいるだろう。けがをしないように励みたいところだが、特に中年で注意したいのは重傷度が高いアキレス腱(けん)の断裂だ。中にはあまり痛みを感じないため断裂したことに気付かず、治療の開始が遅れたりすることもある。日常生活でも起こるので気をつけたい。

腱は筋肉と骨をくっつけている組織で、主成分はコラーゲンの線維。アキレス腱は、ふくらはぎの腓腹(ひふく)筋とヒラメ筋を、かかとの骨の踵(しょう)骨に付着させている。人体の腱ではもっとも強く大きい。

30~40代で多発

アキレス腱が切れたときは後ろから蹴られたり、棒でたたかれたりしたような衝撃を感じる。バチッといった音がすることもある。「30代ぐらいから増え、40代でスポーツ中に起こす例が多い」と順天堂東京江東高齢者医療センターの副院長を務める黒澤尚・順天堂大学特任教授は話す。

一般にバドミントン、バレーボール、テニスなどで発生が多いといわれる。ダッシュやジャンプ、急に止まる、強く踏ん張るなど瞬間的に強い力がかかる動作は足に負担をかける。黒澤副院長によると、ボウリングでボールを投げた際や、ゴルフで切る例もある。ゴルフではボールを上り坂になっているラフに打ち込み、そこを駆け上る時などが危ない。

まっすぐ立った状態に対し、つま先を上げる方向に足首の関節を曲げることを「背屈」と呼び、この動作をすると、アキレス腱は緊張し、断裂の恐れが増す。坂を上るときはこの状態になっている。日常生活でも坂道を走って上るときに切ったりする。スポーツ以外では階段の踏み外しや転倒の際も要注意だ。

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