テーマパーク、スマホで攻略 公式アプリ充実
見どころ・ルート 知って楽しさ倍増
秋の行楽シーズンはテーマパークに足を運ぶ人も多い。より楽しく、効率的に遊ぶのに役立つのが、運営会社が提供するスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)用のアプリやSNS(交流サイト)。全地球測位システム(GPS)を活用して目当てのアトラクションまでのルートを把握したり、耳寄り情報を入手したり。初めて訪れた人もリピーターも重宝しそうだ。
「今日から始まるハロウィーン関連の情報はこまめに見て、イメージを膨らませて来た」。7日、大阪から夜行バスで東京ディズニーランド(TDL)に遊びに来た大学生の巽し乃さん(20)は、東京ディズニーリゾートのフェイスブック公式ページのチェックが最近の日課だ。
「会話のきっかけに」
オリエンタルランドが7月に始めた東京ディズニーリゾートのフェイスブック公式ページ。「来園者同士の会話のきっかけをつくりたい」と同社営業本部の松本伸一郎氏は説明する。SNSではツイッターを昨夏、ミクシィも今年7月に始めた。
割引クーポンなどの直接的なメリットの提供ではなく、「楽しみ方を増やす」のが狙い。例えば、「深夜にしか咲かない花がTDLのウエスタンランドにある」との情報を8月末に提供したところ、「こんな場所があるとは」「見てみたい」といったコメントが寄せられた。
来園者が年間約2500万人に上る東京ディズニーリゾートでは約9割がリピーター。人気のアトラクションをはしごするだけでなく、スマホを片手にちょっとしたネタをのぞきながら園内を散策してみるのも、今までにない楽しみ方だろう。
もちろん、アトラクションの待ち時間や運休状況の確認、レストランの予約など効率的に遊ぶのに欠かせないサービスもスマホに対応済みだ。
ハウステンボスが提供するスマホ用公式アプリは、どちらかといえば初めて来園する人に向く。GPS機能を活用し、園内の自分がいる場所を地図で確認できるほか、アトラクションやトイレ、売店などの位置も探すことができる。遊びたいアトラクションや施設を設定すれば、現在地から目的地までのルートを矢印で表示してくれる。
こうしたサービスを手がけることにしたのは「園内で道に迷ってしまう人が多いため」(広報宣伝部)。ハウステンボスの敷地面積は東京ドーム32個分に相当する152ヘクタールと広大だ。そのうえ、園内はヨーロッパの街並みを再現した景観に統一した結果、「同じような景色が続いており、普段は地図を読める人でも迷いやすい」(同)という。
アトラクション検索
スマホの言語設定を変更することで、英語、中国語、韓国語での情報も得られる。年間の来園者約180万人のうち5%程度が外国人という事情に対応したものだ。これ以外にも、アプリには「体を動かしたい」「ゆっくり鑑賞して楽しむ」といった目的別にアトラクションなどを検索できる機能もある。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでもハウステンボスと同様、現在地やアトラクションの位置、距離などを確認できる公式アプリを用意。これに加え、スマホのアプリを使って園内で写真を撮影すると、キャラクターが自動的に写り込むサービスが人気だ。例えば、映画「ジョーズ」のアトラクション付近で撮影すると、サメのキャラクターが画像に出てくるといった具合。エリアごとに異なる計10パターンを用意しているが、どこで何のキャラクターが登場するか詳細を公表しておらず、撮る時のお楽しみでもある。
14日に開始するハロウィーンイベントに合わせた新サービスも予定している。例えば、昼のパレード開催時に音楽に合わせてスマホを振ると、スマホが振動したり太鼓や笛の音が響いたりするという。
スマホを上手に使いこなすことで、テーマパークでの満足度もぐんとアップしそうだ。
(消費産業部 小泉裕之)
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