ヘルスUP

病気・医療

その咳、マイコプラズマ肺炎の可能性も 耐性菌急増、受診早めに

2012/8/4 日本経済新聞 夕刊

マイコプラズマという細菌による肺炎の流行が続いている。昨年夏から冬にかけて大流行したが、現在も患者数は例年の2倍弱で推移している。これまで使用してきた抗菌薬が効かないケースも増えているので、医師と相談しながら適切な治療を受けるようにしたい。

博慈会記念総合病院(東京・足立)を女子中学生(13)が受診した。39度の熱と軽いせきがあり、自宅近くの診療所で抗菌薬などを処方してもらっていた。1週間しても熱が下がらなかったため、同病院を紹介された。

昨夏から流行続く

顔色が悪く、全身がだるい。田島剛副院長が胸のレントゲン写真を見たところ、肺にすりガラス状の影があった。血液検査結果なども合わせ、マイコプラズマ肺炎と診断した。入院し、別の抗菌薬などを投与したところ、半日で熱が下がり、状態が回復した。

診療所で処方したのはマクロライド系と呼ぶ薬。田島副院長は「この薬が効かないということは、耐性を持ったマイコプラズマによる肺炎だと考えた」と話す。後で病原体を詳しく調べると、やはり耐性菌だった。

同病院では昨年夏以降、マイコプラズマ肺炎の入院患者が急増。例年は年20~30人程度なのに対し、10月からは1カ月間だけで20人を超えた。今年に入り減ってはいるが、まだ例年を上回っている。田島副院長は「女子中学生と同様に、耐性を持っているケースが多い」と指摘する。

マイコプラズマの電子顕微鏡写真 =国立感染症研究所細菌第二部提供

マイコプラズマは肺炎の原因となる一般的な細菌で、発熱した後にせきが続くのが特徴。鼻水はほとんど出ない。小学校や幼稚園などで集団感染しやすく、子供の肺炎の原因では最も多い。ただ、大抵は軽症で済む。感染しても発症しないケースも多い。予防用のワクチンは今のところない。

これまで日本では夏のオリンピックの年と同じ4年に一度、大きな流行があったが、その傾向は1988年を最後になくなっていた。「マクロライド系の良く効く薬が使えるようになったため」(田島副院長)だ。

ヘルスUP 新着記事

ALL CHANNEL