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熱中症だけじゃない 意外と多い夏の脳梗塞 脱水、血管詰まりやすく

2012/7/28 日本経済新聞 夕刊

ある日突然、血管が詰まって発症し、命に関わったり後遺症が残ったりする脳梗塞や心筋梗塞。寒い冬に多い病気とみられがちだが、夏も注意が必要だ。暑く汗を多くかくため、血液がどろどろの状態になりやすく、血管が詰まる危険が高まるという。こまめに水分を補給すれば、熱中症だけでなくこうした病気の発症リスクも下がると専門家は指摘する。

「脳出血は冬に多いが、脳梗塞は夏が最も多くなる」。こう話すのは国立循環器病研究センター脳血管内科の豊田一則部長だ。2008~11年に同センターにかかった脳梗塞患者2055人の発症時期を季節別に集計したところ、夏(6~8月)が529人で冬(12~2月)の521人を上回り最も多かった。

血液の水分減少

脳出血も脳梗塞も脳卒中に分類されるが、脳の血管が破れて出血するのと、血液が詰まって流れなくなるという違いがある。

こうした季節性が起こる原因は次のように説明されている。寒い冬は血管が収縮し血圧が高まる。この結果、脳血管が破れやすくなる。一方、夏は汗をかきやすく血液中の水分が減って、どろどろした状態になる。こうなると血液が血管に詰まりやすくなるという。

また暑さで脱水状態になると、カリウムやカルシウム、マグネシウムなど体内の電解質のバランスが崩れて不整脈を起こしやすくなる。「血の流れが乱れると、心臓で血の塊ができ、脳に運ばれて詰まることもある」と関西医科大学付属滝井病院(大阪府守口市)の岩坂寿二院長は指摘する。

発症すると様々な症状が突然起こる。典型例は顔の半分や片方の手足に起こる運動まひやしびれ。顔の片側が下がってゆがみが出て笑顔がうまく作れなくなる。両腕を持ち上げた状態を維持できなくなることもある。言葉にも異常が出やすい。(1)言葉が出てこない(2)ろれつが回らない(3)相手の言葉の意味が理解できない――といった状態になる。

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