ヘルスUP

病気・医療

痔にならないための生活習慣とは

2012/6/21 日本経済新聞 プラスワン

■排便後は温水で洗浄

おしりを清潔に保つことも重要だ。「排便後は温水で洗うといい。紙で拭くだけでは便の残りを肛門のしわの中にすり込むことになり、それが刺激となって炎症を引き起こす可能性がある」(岩垂所長)

ただ、温水便座を使う場合に「温水をお尻の中に入れてあたかも浣腸(かんちょう)のように使う人がいるが、それは間違い。習慣になってしまうとそれなしで排便しづらくなったり、後から水分が流れ出てきて不潔な状態になることがある」(山口院長)。

温水はやさしくかけ、洗い終わったら紙をこすらず、押し付けるようにして水分を拭き取り、十分に乾燥させる。

おしりを清潔に保つには入浴も有効だ。体が温まり、血行も良くなる。

同じ姿勢を続けないこともおしりをうっ血させないコツ。座り仕事や立ち仕事が多い場合には途中で体を動かすようにする。「肛門付近をキュッと締めてから力を抜く、おしりエクササイズを数回繰り返すといい」と山口院長は話す。

◇            ◇

手術不要の注射治療も

患者数が多い痔核(じかく)。初期は排便時に出血する程度だが、症状が進むと排便時に痔核が肛門の外に出る脱出を起こす。それが指で押さないと戻らないようになり、さらには指で押しても戻らなくなる。以前は半導体レーザーで痔核を小さくしたり、痔核を手術で切り取ったりしていた。しかし、最近では手術なしで治す方法が出てきた。

これは、ALTA療法といわれるもので、肛門の内側にできた痔核(内痔核)が脱出した場合の治療が可能だ。痔核に直接薬液を注射して血液の量を減らすため、徐々に痔核は縮小。伸びていた組織が元の位置に戻って脱出が治る。「通常、治療後数日から1カ月で脱出がなくなる。切除しないため肛門が狭くならないので肛門機能も維持できる」と山口院長。治療にかかる時間は10~15分。施設により日帰り可能で、翌日から仕事ができるという。

(ライター 武田 京子)

[日経プラスワン2012年6月16日付]

ヘルスUP 新着記事

ALL CHANNEL