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関西中心に「風疹」が流行中 20~40代男性はご用心

2012/6/9 日本経済新聞 夕刊

風疹が近畿地方を中心に流行している。今年に入ってからの全国の患者数は、すべての患者数を調査し始めた2008年以降の同時期で最多となった。特に20~40代の男性患者が多い。風疹は妊娠初期の女性が感染すると、生まれてくる子供に先天性の心臓病や難聴などを引き起こす可能性がある。専門家は「家族間や職場での感染拡大を防ぐために予防接種を受けてほしい」と呼びかけている。

風疹ウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所感染症情報センター提供)

「どこでワクチン接種ができるのか」。兵庫県疾病対策課には、このところ問い合わせの電話が相次いでいる。同県は1月~5月27日までに68人が風疹にかかった。都道府県別で最も多かった。若い男性が発症するケースが多く、「ほとんどの人がワクチンを接種した経験があるか不明」(同課)だという。

■ワクチン接種、開始時は女子限定

国立感染症研究所によると、1月~5月27日に全国で風疹に感染したのは219人。前年の同時期の1.5倍に上る。兵庫県のほかに大阪府、京都府など近畿が中心だが、東京都も患者が多い。このため厚生労働省は全国に広がる恐れもあるとして、自治体に対し予防接種の呼びかけや、妊娠適齢期の人への情報提供を促す通知を出した。

感染研の感染症情報センターの多屋馨子室長は「年間の患者数をみると、11年は10年の約4倍だった。風疹の流行は2~3年続き、特に2年目の流行が大きい傾向がある」と指摘する。今年の流行では成人男性の発症が目立つ。全体の約7割が男性で、このうちの7割が20~40代だ。

風疹はウイルス性の感染症で、かつては子供の病気とされていた。1976年までは国内でワクチン接種は実施されず、子供の頃に感染することで免疫を獲得する例が多かった。77年に公費負担の定期接種が始まったが、将来妊娠する可能性のある女子中学生に限定していた。

その後、男女とも対象になり、95~05年度までは生後12カ月から90カ月未満と中学生が接種することになった。06年度からは1歳児と小学校入学前の2回接種となっている。制度変更に伴う措置として、08~12年度までは中学1年や高校3年の年齢でも接種が受けられる。

今年の流行で発症が多い30代後半~40代の男性は、ワクチンの定期接種がなく、接種の機会が少なかった世代にあたる。20代後半~30代前半は接種率が低い。また、かつては数年ごとに大きな流行があったが、05年以降はなく、風疹に自然感染する機会も少なかった。「免疫を持たない人が多く、感染につながっている」(多屋室長)。11年の厚労省の調査でも、30~50代前半の男性の5人に1人は免疫を持っていなかった。

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