がん死亡率1位・肺がんを早期発見するには人間ドック、追加検査の選び方

肺がん、40代後半か罹患率高まる

がんの部位別死亡率1位の肺がん。その早期発見につながるのが胸部CTだ。「肺がんは罹患率、死亡率とも40代後半から上がり始め、高齢ほど高くなる。50歳になったら、特に喫煙者は胸部CTを受けた方がいい」(和田さん)

胸部CT検査など全身をコンピューターで画像診断できる装置(東京都千代田区の榊原サピアタワークリニック)

東京都品川区のNTT東日本関東病院予防医学センターは、胸部CTを基本メニューに入れている。一方、腹部CTは「被曝量も多いので、人間ドックでは必要ない」とセンター長の郡司俊秋さん。肝臓、胆のう、腎臓などの様子は、基本メニューの腹部超音波検査でかなり分かるからだ。膵臓(すいぞう)だけは超音波では限界があるが、基本は「超音波で怪しい部分があれば腹部CT」という対応でいいという。

子宮頸がんは20代から検査を

一般にがんは中年以降、罹患率が高まる一方だが、女性の乳がんや子宮頸(けい)がん・体がんは異なる。特にHPVというウイルス感染が原因の子宮頸がんは20歳後半から高まり40代でピークを迎えるので「20代から検査するのが望ましい」と郡司さんは指摘する。

オプション検査で受診者が多いのは腫瘍マーカー。血液検査でがんが調べられるので人気だ。大腸や膵臓・胆道、卵巣など臓器ごとにマーカーがあるが「早期発見に有効といえるのは、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAぐらい」というのが専門家の見方だ。

心臓など循環器系を詳しく調べるなら、心臓超音波や24時間心電図、運動負荷心電図、全身の動脈硬化度合いを測定する血圧脈波検査がある。「受診の目安は男性なら50歳以降、女性は60歳以降」と和田さん。心臓の筋肉に血液を送る冠動脈の硬化を調べるCT検査がある施設もある。東京女子医科大学とパイプが太い東京都千代田区の榊原サピアタワークリニックもその一つ。「高血圧や脂質異常症、糖尿病、肥満、親・兄弟姉妹に心臓病の人や突然死した人がいる場合は、年齢を問わず心臓ドックを受けることを勧める」(健診センター長の西嶋洋さん)

脳血管疾患なら、磁気共鳴画像装置(MRI)で頭部断層と脳血管を撮影すれば、脳梗塞や脳出血などが分かる。脳に血液を送る頸動脈の硬化を調べる頸動脈超音波の検査もある。

主なオプション検査の料金の目安をまとめた。自分の懐具合と相談して、よく検討するといい。「人間ドックの基本メニューは、30代半ば~50歳なら2年に1度、51歳以降は毎年が望ましいが、オプション検査はがん関係以外は、受けて異常がなければ数年おきで構わない」と和田さんは言う。「40代で早めに1度受け、自分にどういうリスクがあるのかを自覚するのもいい」(郡司さん)。必要な検査を選別して、結果を有効に活用したい。

(福沢淳子)

[日経プラスワン2012年4月14日付]

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