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40歳過ぎたら…大腸がん検診 毎年受けて

2012/2/4 日本経済新聞 夕刊

がんの死因の中で女性では1位、男性では肺、胃に次いで3番目に多い大腸がんは、数年後には全体でも最多になるとの予想もある。進行が遅く、早期に発見できれば完治する可能性が高い。大腸がんは検診の有効性が確かめられている。医師は「40歳を過ぎたら毎年、企業や自治体などの検診を受けるべきだ」と勧める。40代半ばの記者は今回、検診のありがたみを身をもって体験した。

高い費用対効果

専門医が大腸内視鏡検査をすれば、キノコのように隆起したもの(写真左)や平たんな形(同右)のがんが見つかりやすい(京都府立医大の石川特任教授提供)

「精密検査を受けるように」。記者は昨年秋、会社の産業医に呼び出され、こう告げられた。健康診断で、便に目に見えないわずかな出血があったからだ。過去の検診では指摘されなかったため不思議に思いながらも、産業医に薦められた専門医で大腸内視鏡検査を受けた。

肛門から10センチメートルほど入った直腸部分に約2センチメートルのポリープが見つかり、検査の際に取り除いてもらった。病理検査の結果、一部ががん化していると分かった。幸い、がんは粘膜の中にとどまっており、内視鏡手術で取り切れた。その後の検査で転移もなし。医師から「1年後だったら、入院して開腹手術になっていた。運がよかった」と言われた。

「大腸がん検診は有効性が科学的に証明されている」。旧厚生省のがん検診の有効性評価に関する研究班のメンバーだった楠山クリニック(大阪市)の楠山剛紹院長はこう話す。この研究班は5つのがんの種類別に様々な観点から有効性を評価し、大腸がんは死亡率を下げる効果が高く、費用対効果もよいとした。

大腸がん検診の一般的な流れはこうだ。自治体や企業による検診で、自宅で採取してきた2日分の便を持って行き、調べてもらう。血が混じっていれば大腸がんやポリープの可能性があり、精密検査を勧められる。

精密検査の中で、早期がんを見つけるのに最もよいのが内視鏡検査だ。錠剤に加えて液体の下剤を2リットル程度飲んで、大腸の中を空っぽにしたうえで、肛門から内視鏡を入れて中を調べる。楠山院長は「理想を言えば、40歳以上なら1度は受けるべきだ」と訴える。

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