誰しも痛い靴は履きたくないもの。その割に多くの人は、どんな靴を履けばよいのか、正しい情報を知らない。靴を買うときには最低限、実際に履いて歩き、感触を確かめた方がいい。それでも不安なときには、最適な靴選びを手助けしてくれる専門家「シューフィッター」に相談するとよいだろう。
靴を履いたら、かかとをつけてトントンと合わせる。立ったときに甲の部分がほどよく合い、歩いてもかかとが脱げず、指先は必要以上に前に出ない――。靴のメーカーや販売店などで組織する一般社団法人、足と靴と健康協議会(東京・台東)の俣野好弘・主任研究員は、靴を選ぶときの基本的な留意点をこう説明する。
足の長さや太さ、形状は人によって様々。年齢とともに変化もする。気をつけて靴を選んだつもりでも、履き続けると「マメができた」「指が疲れる」など、違和感があらわになることもある。最適な靴選びはなかなか難しい。
そんなとき、俣野主任研究員は、百貨店など主要な売り場にいるシューフィッターの活用を勧める。「次に買うときの参考にしたいので助言してほしいといえば、無料で相談にのってくれる」と言う。
シューフィッターは、靴合わせの技能を備えた専門家だ。同協議会が1984年から養成を始めた。3年ごとに試験を受けて資格を延長する。現在、約3300人が登録されている。