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朝食に果物を食べよう

2011/9/7 日本経済新聞 プラスワン

「朝の果物は金」ということわざがある。一日の生活を始めるにあたって必要な栄養素が摂取できるというのがその理由だ。不足しがちな栄養素を補えるほか、加熱調理する必要がないので、忙しい現代人の朝の時間帯でも比較的食べやすい。朝食に果物を食べる様々なメリットについて検証してみた。

朝食を英語で「ブレックファスト(=断食を破るの意)」というように、私たちは朝食によって、睡眠中は口にしていなかった食べ物を、数時間ぶりに口にすることになる。女子栄養大学の香川靖雄副学長は「朝は消化管の活動が鈍いので、吸収されやすい果物は朝食に適している」と言う。果物に含まれるのは主に水分と炭水化物。寝ている間に汗などで失った水分を補うことができ、エネルギー源となる炭水化物も摂取できるからだ。

忙しい朝に便利

日本人に不足しがちな栄養素である食物繊維やカリウムが豊富に含まれているのも果物の特徴だ。カリウムはナトリウムを排出し、血圧を下げる効果があるとされる。一日のうちで、血圧が最も上がりやすい時間帯は朝なので、「高血圧の人は朝食に果物を食べるといい」(香川副学長)。食物繊維は便通の改善にも役立つ。

果物は調理がいらないので、忙しい朝の食事に便利だ。20歳代の男性では3割以上が朝食を食べないといわれ、朝ご飯を食べない人が増えていることが問題になっている。「時間がない」「食欲がない」というのが主な理由だが、例えばバナナのように手で皮をむいて食べられる果物ならば、手間がかからない。最近は、コンビニエンスストアなどでもカットフルーツを売っているので、利用したらいいだろう。

朝食を取らずに出勤すると、脳のエネルギーとなるブドウ糖が不足し、集中力が低下する恐れもある。不足した栄養を挽回しようと、昼、夜に食べる量が増えるので、肥満になりやすいという調査結果もある。理想的なのは、ごはんにみそ汁、焼き魚、あるいは、パンに卵とサラダといった栄養バランスのとれた朝食だが、余裕がなければ果物を口にするだけでも、ずいぶん違う。

食物に含まれる酵素に着目して、患者への食事指導をしている鶴見クリニック(東京都中央区)の鶴見隆史院長は、「起きたばかりで活動が鈍っている胃腸に負担をかけないため、朝食には果物を食べた方がいい」と助言する。食べ物を消化する際、体内ではアミラーゼなどの消化酵素が使われるが、生の果物に含まれる酵素がその働きを助けるという。

「朝は食事をする時間というよりも、前の日に摂取した食品のかすを排せつする時間と考えたい」(日本リビングフード協会のいとうゆき代表)という意見もある。朝に重い食事をすると、エネルギーが消化に使われ、排せつがスムーズにいかなくなる場合があるという。消化しやすい生の果物は「消化器官に負担を与えないので、朝食にお薦め」(いとう代表)という。

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