ヘルスUP

病気・医療

職場のストレス、企業でどう対処 相談窓口を充実

2011/8/19 日本経済新聞 夕刊

厳しい労働環境で仕事のストレスが増える中、精神的なトラブルを抱える社員の対策が急務になっている。メンタル面での相談が気軽にできる仕組みをつくったり、定期的に社員の心の状態を把握する制度を導入したり、企業の取り組みも様々。国も近く、職場のメンタルヘルス対策を義務化する方針だが、業界や規模によって対応に差があり、実効性には課題も多い。

複数の組織が合併して生まれたソフトバンクは社員のメンタルヘルス対策に力を入れる

「上司からの期待にうまく応えられなくて……」。企業からのメンタルヘルス対策を受け持つ損害保険ジャパンの子会社「損保ジャパン・ヘルスケアサービス」(東京・新宿)。契約する会社の社員向け相談窓口には、悩みを抱えた人から次々電話がかかる。

同社と契約する企業は現在180社と前年の150社から2割増。「ストレスを抱えた社員へのケアは年々注目を集めている」と関泰章・サービス統轄本部長は話す。

増える労災請求

厚生労働省が2007年に労働者を対象に実施した調査では、6割近くが職業生活でストレスを抱えていると回答。仕事のストレスによる精神疾患での労災の請求は増加傾向で、10年度は1181件と2年連続で過去最多を更新している。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)が昨年、企業にメンタルヘルスに問題がある社員を抱えているか聞いたところ、57%がいると答え、中でも情報通信業(73%)と医療・福祉(77%)が全体の平均を大きく上回った。

通信大手のソフトバンクは08年から「ピアサポーター制度」という独自の試みを導入している。

「社員からすれば産業医や専門の心理カウンセラーは敷居が高く、気軽には相談しづらいこともある」(担当者)と考え、産業カウンセラーなどの資格を持った身近な一般社員ら52人がボランティアで悩みを聞く。いわば“第二の上司”として社員のメンタル面での面倒を見る仕組みだ。

同社は「日本テレコム」「ボーダフォン」「ソフトバンクBB」の3組織が一緒になったため「一気に規模が大きくなり、若い管理職が部下との関係に悩むことも多い」と上山浩ウェルネスセンター長。しかし「社員はずっと増えても休職者数はほぼ横ばいにとどめている」という。

ヘルスUP 新着記事

ALL CHANNEL