食物繊維は小腸で糖の吸収を抑制するため、繊維分の多い食品のGIは低くなる。大豆は好例で、杉山教授らの調査でも、納豆と一緒に食べた場合のGIは68、豆腐のみそ汁なら93に下がった。逆に、吸収のよいとされるもち米はGIが高くなり、せんべいは111、赤飯は105。

信頼できるデータが増えて簡単に利用できるようになれば、食生活の改善に役立つと期待される。豪州は、国際標準化機構(ISO)でGIの国際統一規格を作ろうと提案しており、規格案作りは始まっている。

日本ではまだ、GIが広く知られておらず、政府も産業界も様子見の段階。世界的に日本食への関心が高まっている時だけに、低GI食品と関連づけて情報発信する手もあると、関係者は気をもんでいる。

(編集委員 永田好生)

▼GI 一般に「血糖値上昇指数」と訳される。炭水化物(糖)の量が同じでも、血糖値の上がり方は食品によってまちまちになる。糖尿病患者の適切な血糖値管理のため客観的な指標を作ろうと、カナダ・トロント大学のデビッド・ジェンキンス博士らが1981年に提案した。
複数の健康な人の血糖値を一定時間ごとに測り算出する。統一した測定法が91年に開発された。世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)が98年、GIの低い食品を推奨する方針を打ち出し、英国や豪州でGIの値を表示した食品が販売されている。
ひとくちガイド
《本》
◆グライセミック・インデックス(GI)の考え方や意味を分かりやすく解説。日本の食生活に合わせた最新事例も紹介する「『GIの値』を知れば糖尿病はよくなる!」(田中照二著、主婦と生活社)
《ホームページ》
◆GIが低い食品例や献立などをイラストを用いながら説明する、サラヤ食品(大阪市)が運営する「低GI教室」(http://www.tei-gi.jp/news/)

[日本経済新聞朝刊2011年7月31日付]

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