この結果について健康スポーツ医の梶山泰男医師は「内臓脂肪の減少のほか、血圧や血液データにも改善が見られた。改善率が高かったのは目標を大きく上回る頻度と距離を走れたから」と分析する。実際、参加者は週平均5.4日、1日平均95分と目標を大幅に上回っていた。

松浦さんの場合、往復で約38キロメートルの道のりを自転車で通勤し、週末には60キロメートル程度を走り込んだ。その結果、110キログラムあった体重が、3カ月後には93.6キログラムに、腹囲は114センチメートルが100センチメートルに激減した。尿酸値も9.6から6.8と基準内に下がり、服用している痛風の薬が1種類に減った。

「体重が減るにつれ、食事にも気を使うようになった」という松浦さんは、講習会が終わった後も自転車に乗り続けており、現在は、86キログラムまで体重が落ちている。「服のサイズもBE7がAB7になり、いろんな服が選べるようになった。次の目標は高校のころの78キログラム」と笑う。

水分補給こまめに

自転車部品製造のシマノも2007年8月、社員50人を対象に自転車に乗ってメタボを解消する3カ月間の社内実験を実施した。週3回以上乗った人は体重が平均1.7キログラム、体脂肪が1.6%減少。血中インスリン濃度が高かった5人は全員が基準値内に収まるなど血液データでも改善が見られた。

1キログラム体重を落とすにはどの程度自転車に乗ればよいのだろうか。1キログラムの脂肪を燃焼させるのに必要な消費カロリーは7200キロカロリー。体重70キログラムの人が時速15キロメートルで1時間走ったときの消費カロリーは350キロカロリー。つまり、15キロメートルの距離を自転車通勤で往復していれば、10日程度で1キログラム減る計算になる。

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