テレビから“斬”られた時代劇 復活の「のろし」上がる

2011/2/15

テレビの時代劇が不況にあえぐ。年配層を中心に根強いファンを持つのに、放送枠が次々と消える。復活ののろしを上げようと、CS放送が独自の作品を制作。新しい見せ方を提示した民放ドラマも生まれている。

時代劇ファンがよく知るロケセットが2010年末、取り壊された。フジテレビ系のドラマ「剣客商売」の主役、秋山小兵衛(藤田まこと、故人)の暮らす家として京都・嵯峨山中に建てられた“小兵衛の家”だ。1998年から放送された同作品のほか、ドラマ「鬼平犯科帳」など数々の時代劇の舞台となった。

有料加入は急増

屋根を覆う自然のコケが、時代劇を陰で支えた13年の歴史を物語っていた。「このコケは二度とできない。壊されると残念な気がしてね」。解体直前に収録したCS放送の番組「剣客商売を語る」で、セットを作った美術監督の西岡善信(88)はしみじみと語った。

管理する松竹によると建物が老朽化し、時代劇の撮影も減ったため、取り壊すしかなかった。フジテレビの時代劇プロデューサーとして、今年1月まで約40年活躍した能村庸一(70)は「テレビ時代劇は幾度の危機を乗り越えたが、近年はギリギリの状態」と話す。

現在、地上波の時代劇専門枠はTBS系の「水戸黄門」、NHKの大河ドラマと土曜時代劇の3枠だけ。土曜時代劇は4月からBS放送に移る。プライム帯(夜7~11時)で30番組以上が競った黄金期の73年ごろと比べ、落差は明らかだ。

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