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コレステロール 高い方が長生き?

2010/10/27 日本経済新聞 朝刊

 コレステロールを巡って専門家の間で論争が起きている。ある学会が「高い方が長生きする」という、これまでの医学の「常識」と真っ向から対立する見解を、ガイドライン(指針)として公表したからだ。生活習慣病予防の観点から、コレステロールは悪者扱いされることが多い。本当に高くても放っておいて大丈夫なのか。

2学会が対立

 論争の引き金になったのは9月初旬に愛知県犬山市で開催された日本脂質栄養学会大会だった。

 「コレステロールの摂取量を増やしても、血液中のコレステロール値は上がらない」「特別なケースを除き、動脈硬化による疾患の予防にスタチン類(コレステロール値を下げる薬)の使用は不適切」――。

 同大会で公表された「長寿のためのコレステロールガイドライン」は、健康維持への適正な基準値を具体的な数字で示しはしなかったが、「高いよりも低い方が健康によくない」とした。現在、脂質異常症(高脂血症)の治療の目安として広く利用されている日本動脈硬化学会の指針(2007年版)をほぼ全否定する内容だった。

 新しい指針の内容が一部のメディアで報じられ、医療現場では混乱が起きた。ある開業医は「コレステロールがとても高い患者から、スタチン類をもう飲まなくてもいいのでは、と質問され、困っている」とこぼす。

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