がんの早期発見 公費検診やドック、賢く利用健保補助などまず情報収集

日本人の死亡率で最も高いのががん。生涯のうち、男性の2人に1人、女性の3人に1人が何らかのがんと診断されるというが、早期発見につながるがん検診の受診はなかなか進まない。安価で受診できる自治体検診から、最新の機器で総合的にチェックできるがんドックまで様々な種類があり、ライフステージに合わせて賢く利用したい。
特殊な検査薬を使い、がんの病巣を確認できるPET検診

「秋に結婚式を控えているので、一度きちんと診てもらいたくて」。会社員の木元純子さん(仮名、29)がこの夏、ホテルオークラ神戸(神戸市)を訪れた目的は、宿泊ではなく検診。2年前に開業した「ホテルオークラ神戸クリニック」では、通常の人間ドックのほか、乳がんや子宮がんなど女性特有のがんを最新機器でチェックできる。

料金は半日コースが4万9350円からと安くはないが、木元さんは「職場の健康診断では診てもらえない項目がいろいろあった」ことから受診を決めた。

同クリニックでは系列病院と連携し、陽電子放射断層撮影装置(PET)やコンピューター断層撮影装置(CT)を組み合わせた3次元画像のがん検診や、遺伝子検査などで体の状態を細かく調べる。「結婚を控えた女性や会社の補助を受けた40歳代の会社員の利用も多い」(西昂理事長)

無料の自治体も

がん検診は、主に自治体が実施する公費検診と、利用者が任意で受ける自費検診に大別できる。

受診料が安価かつ身近で受けやすいのが市区町村の検診だ。

例えば東京都港区では対象年齢になると、左表の検診をすべて無料で受診できる。毎年対象者全員に、該当する検診の受診券と医療機関リストを郵送する。「無料にすることで一人でも多くの区民に受診してもらいたい」と、同区保健所健康推進課の北村淳子課長。

厚生労働省によると、全国の95%以上の市区町村が公費で何らかのがん検診を実施している。ただ、受診率は高いとは言えない。

2008年度の自治体がん検診で、対象となった人が実際に受診した割合は、胃がん10.2%、肺がん17.8%、大腸がん16.1%、子宮がん19.4%、乳がん14.7%。平均して1検査項目あたり1000円ほどで検査できるのだが、「職場の健康診断で満足している人も多い。まずは自治体検診を受けてもらい、何らかの疑いがあればすぐに専門医で診察を受けてほしい」と、厚労省・がん対策推進室の担当者は訴える。

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