立食パーティー、料理の取り皿のマナーは
結婚式の2次会に限らず、仕事上での式典など、立食のパーティーに参加する機会は意外に多い。ただ知らず知らずのうちにマナー違反をしていることもありそうだ。気をつけたいポイントを、自分磨き講座やビジネスマナーの研修などを手掛けるシェリロゼ(東京都渋谷区)の代表取締役、井垣利英さんに聞いた。
「立食パーティーのマナー」 シャンパングラスは足の部分をつまむように持つ
「マナー違反の例として、まず3つがあげられます」と井垣さんは指摘。1つめは、シャンパンなどで乾杯する際、グラスとグラスを合わせて音を立てること。シャンパングラスは繊細なので欠けてしまうこともある。グラスの脚の部分をつまむように軽く持ち、乾杯のときは目線より若干上にあげればよい。
2つめは、同じ取り皿を使いまわすこと。皿は毎回取り換え、一度使った皿は食べているテーブルの上か、スタッフに返す。1つの皿に温かいものと冷たいものを一緒にのせるのも避けよう。
3つめは、自分の分だけではなく、ほかの人の分まで料理をたっぷり皿にのせてくること。気をきかせたつもりでやりがちだが、これも基本的にはマナー違反という。取り分け皿に盛るのは自分の分だけが基本だ。
ホテルでの立食パーティーの場合、料理卓にはコース料理と同じ順番に料理が並んでいることが多い。いきなりメーンに飛びつかずに、コース順に前菜から食事するのがスマートだ。料理が足りないという声を聞くこともあるが、食べ放題、飲み放題とは違うということを意識して行動したい。
仕事帰りに参加するときなどは、大きいバッグやコートはクロークに預けよう。脇にコートをはさんだり、大きなバッグをいすや床に置いたりするのもよくない。
「会社である程度の地位にある人でも、意外にマナー違反をしてしまっている場面を見かける」と、井垣さん。自分だけではなく、他人も気持ちよく過ごせる会になるよう、お互い配慮することが大切になるだろう。
(ライター 鈴木 寛美)
[日経プラスワン2010年6月19日付]