「生物系」では、遺伝子を構成するDNAモチーフが人気を集める。MoMAデザインストア(東京・渋谷)では、DNAのらせん構造をモチーフにしたネックレス(5400円)やブレスレット(3900円)など「DNAシリーズ」が売れている。米国のデザイナーによるもので「人は生まれもってデザインを身につけている」という発想から生まれた。「パーティーなどで話のきっかけになると、20~50代の幅広い年代の女性が購入していく」(マーケティング担当の望月香菜さん)という。
ファッションジャーナリストの宮田理江さんは理系モチーフの流行について「iPodやiPadなどのデジタルデバイスがファッションの一部として捉えられるようになった延長線上にあるのではないか」とみる。「デザインとして無駄のない機能美はもちろん、シャープに見え、理系ならではの知的さを演出できる」とも。
リケジョという言葉を耳にする機会が増え、個性のひとつとして、理系であることや理系好きをアピールすることもおしゃれのひとつになっている。“ぱっと見”リケジョはまだ増えそうだ。
(井土聡子)
[日経MJ2013年8月11日付]