自転車マナー何とかしたい 住民や愛好家も走る大人もルール再確認

歩道を急スピードで走り抜けたり、交差点で飛び出したりして歩行者や車をヒヤリとさせる自転車。手軽さや健康・エコ志向から自転車は人気だが、運転マナーの悪さや交通ルール無視を指摘する声は多い。生活に自転車がうまく溶け込んだ街づくりを目指す住民やサイクリング愛好家の試みや葛藤を追った。

保護者にも正しい知識伝える

安全教室では様々なタイプの自転車の試乗も(神奈川県逗子市)

「自転車2台が歩道を並んで走るとどう?」「周りの人も後ろからの車にも危ないよ」「自転車は車の道の左側を走るんだよ」。神奈川県逗子市で3月下旬に開かれたイベント「ママとパパと子どもの自転車デー」。企画したのは市民有志でつくる歩行者と自転車のまちを考える会(谷守弘会長=58)だ。これまでは自転車でのまち巡りなどを企画してきた。

逗子小学校の校庭を練習コースにした安全教室には子どもや親ら100人ほどが参加。自転車走行に詳しいメンバーが交通ルールの講師役を買って出て、時に子ども用自転車に自らまたがるなどして乗り方を実演した。「ルールを守ってゴールできた」。子どもたちは歓声を上げ、見守る親たちにも笑みがこぼれた。

練習前には自転車整備のプロが子どもたちの愛車を点検。見つめる親も「そうか、ブレーキってこうチェックするのか」と興味津々だった。メンバーの三浦清洋さん(43)は「子どもが楽しみながら正しい交通ルールや技術を身に付けるのが第一。その保護者にも自転車の知識やルールが伝われば」と語る。

子ども向けの安全教室は警察や学校などの連携で頻繁にある。一方で成人後に自転車の知識やルールを確認する機会は少ない。自動車免許のような仕組みがないだけに、こうした市民レベルの動きは大人もルールを学び直す機会になる。メンバーの玄真琴さん(49)は「単なる啓発にとどまらず、まちづくりから自転車について考えているのに共感した」と話す。

自転車通勤の企業で教室

愛好家の間でもルール順守やマナー向上は合言葉だ。千葉県サイクリング協会は、1月に千葉市内で愛好家80人を集めた「サイクリングカレッジ」を開き交通ルールを学んだ。4月14日には関東の愛好家が集い、「右側通行はしない」「歩行者最優先」「夜間はライト点灯」の3点からなる「誓言」を再確認した。

プロのロードレースチームも一役買う。宇都宮ブリッツェン(宇都宮市)は発足間もない2009年から所属選手が近隣の学校に出向き、運転技術やルールを伝える活動を続ける。これまでの受講者は1万8千人超。公式マスコットキャラクター「ライトくん」を印刷した運転免許証を配る。

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